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新作アートと、制作したバランスさん(左)とマイルドさん=KOBEスタジオY3
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新作アートと、制作したバランスさん(左)とマイルドさん=KOBEスタジオY3

 フィンランド在住の美術家カップル、ジャック・バランスさん(37)とイエンヌ・マイルドさん(38)による作品展「ノイズ・ツー・シグナル」が神戸市中央区山本通3のKOBEスタジオY3で開かれている。神戸で滞在制作した新作は、鑑賞者自らが操作し、楽しむレトロなアーケードゲーム機風のスタイル。母国の先住民の伝統文化と、電子工学や日本のゲームなど現代の文化・科学がミックスされたユニークな現代アートだ。

 神戸・阪神間を歩いた2人は、美しい寺社や庭園など伝統的な造形物と、騒々しいパチンコ店やゲームセンターなど現代的な大衆文化が、隣り合うように混在・同居している街に刺激され、新作のアイデアを得たという。「日本では現代のテクノロジーと古いものとが寄り添い共生している」とバランスさん。

 新作は、フィンランドの先住民サーミ人のシャーマン(呪術師)が用いる太鼓をイメージしたマシン。シャーマンは、テングダケを食べ、歌い、太鼓をたたき、入神状態となって精霊と交信。太鼓に小さな骨のかけらのようなものを落とし、できた形などから未来の「お告げ」を知るという。

 作品は中古のアンプや電子部品などを寄せ集め、再利用して制作。向き合った2人が同時に腰掛け、プレーできる。台上にはフィンランドから持ち込んだトナカイの革が太鼓のように張ってあり、その上に真っ白な塩を敷き詰めた。特製コインを機械に投入すると、テーブルの下に組み込まれたシンセサイザーが作動。レバー操作などで音を変化させられる。スピーカーの音と振動により、太鼓の革の上で塩の粉が激しく飛び跳ね“ダンス”する。やがて塩で白い模様が浮かび上がる仕組みだ。

 シャーマンの代わりに電子機器が発する音と振動が、プレーヤーに“お告げ”を伝える。何を感じ、読み取るかは人それぞれだ。「ぜひプレーして楽しんで」と2人。現代では超自然的な神や精霊も、電気的な信号や電子機器のうちに宿っているのか、などとさまざまな思索を誘う。

 新作アートのほか、2人が所属する美術家グループ「ビデオカフェ」による映像アートも展示している。25日まで。月曜休館。KOBEスタジオY3TEL078・222・1003

(堀井正純)

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