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「ちかくてとおい」の一場面
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「ちかくてとおい」の一場面

 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の記録映画「ちかくてとおい」が、神戸市長田区腕塚町5の神戸映画資料館で上映されている。町の姿を後世に思い描けるようにと願い、風景の映像だけで構成した詩的な作品だ。

 監督は、大槌町で生まれ育った大久保愉伊(ゆい)さん。東京で映画作家として活動していた2011年、津波に襲われた故郷の記録を撮り始めた。作品化を決めたのは13年。めいが生まれたのをきっかけに、28歳の自分が、震災から30年後の28歳のめいに、風景を見せながら語り掛けるというコンセプトが生まれた。

 映し出されるのは、家屋と日々の暮らしが失われた町が移り変わっていく姿。跡地が草むしてゆき、がれきが撤去され、かさ上げ作業の盛り土が至るところにできていく。「今」の変化をたどりながら、震災前の祭りや収穫作業の8ミリ映像が挿入され、土地の記憶をつなぎ止める。

 かつての町を埋もれさせる重機の音だけが響く中、ナレーションは30年後の未来に向けて、「どのような景色を見て、どのような音を聞いているのだろう」と問い掛ける。インタビューや説明のない、想像に委ねる映像が、見る人と被災地の距離も近づける。

 53分。11日まで。一般1200円。同館TEL078・754・8039

(田中真治)

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