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「別人帳」
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「別人帳」
「文学フリマ」での様子=5月7日、文学フリマ東京会場(著者提供)
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「文学フリマ」での様子=5月7日、文学フリマ東京会場(著者提供)
著者いつか床子さんのプロフィール画像(著者提供)
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著者いつか床子さんのプロフィール画像(著者提供)

 漫画家や百貨店バイヤー、タイ在住ラジオパーソナリティーら、住む街も職業も異なる匿名の人たちが、理想の一日を語る「別人帳」という書籍をご存じでしょうか。食事名がそれぞれのタイトルに付く13の物語。5月に東京であった「文学フリマ」で完売し、ネットで話題に。再版希望の声が高まり重版されると、全国11カ所の書店で販売が始まりました。イベントから火が付き、全国の書店に拡大するという異例の展開。「読み終わるのがもったいない」「1日1編ずつゆっくり読みたい」と読者がつぶやくその魅力とは。著者いつか床子さん(@ituyuka)に聞きました。(ネクスト編集部)

 朝起きてから就寝までの理想の一日を、三度の食事を交えて語る本書。築地の焼魚定食、社員食堂のサラダ、半額になった西友の唐揚げ弁当…とイメージを膨らませる目次がずらり。大阪在住者が、関西風の厚焼き卵サンドイッチについて、熱く語る場面もあります。

 -ツイッターで紹介すると、「いいね」は2200以上。

 「たくさんの感想をいただき、本の写真を添えてくださる方も。一緒に写り込んでいるテーブルや植物、その人の指先とか、そういうものを見ています」

 -きっかけは。

 「『有名人が対象じゃなくてもインタビューは面白いはず』という思いが何年も前からありました。生きて暮らしている、誰であってもそれが面白いと思っています」

 -食が丹念に描かれています。

 「食べることや、食にまつわる話が好きでついついその周りを書き起こしましたが、食のインタビューをしたつもりはあまりないんです。でも、知らない人をより身近に感じてもらうためには、『食』って良い入り口だなあと」

 -登場する13人は。

 「昔からの知人もいれば、インターネットを通じて知り合った方、今回の企画のために初めて声を掛けた方とさまざまです」

 -本の扉には「フィクションを交えて」という一節があります。

 「話者の想像力をお借りすることで、読者と話者という自分と他人の境目をも曖昧にしたかったという狙いがあります。限りなく現実によっていますが、ほんの少し空想を混ぜることで、読者が“自分の別人”として読んでもらえたらなあと」

 -タイトルはそこから?

 「散歩の途中、『これだ!』と。今思うと、(明治生まれの作家)内田百閒(ひゃっけん)の『御馳走帖』が大好きなので、影響を受けています。とりわけ、百閒が今食べたいものをひたすら書き連ねた掌編『餓鬼道肴蔬(がきどうこうそ)目録』が大好きです」

 -著者の横顔は?

 「拙著のテーマのひとつが匿名性ということもあり、私自身はなるべく…。ただ一人でも、誰かと一緒でも、どんな気分でも、おいしいものはおいしい。そのことがしみじみ愉快でだいたいハッピー! そんなタイプです」

 600円、A5版、52ページ。取り扱いは全国の11店舗。本屋Title、タコシェ、B&B(いずれも東京)▽BOOKS f3(新潟)▽栞日(長野)▽ON READING(愛知)▽レティシア書房(京都)▽blackbird books(大阪)▽Barnshelf(兵庫・三田)▽HAHU(岡山)▽ひとやすみ書店(長崎)。在庫は変動するため、事前の問い合わせを。

 いつかさんによると、Barnshelf(バーンシェルフ)は「一番面白がって、本を作ったきっかけを聞いてくれ、すてきな陳列写真を送ってくださいました」とのこと。

 インターネット販売窓口は、STORES(https://whenyukako.stores.jp 別途送料180円が必要)▽BOOTH(https://ituyuka.booth.pm/ 別途送料310円が必要)

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