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日本の伝統行事を表現した切り紙作品=神戸ファッション美術館
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日本の伝統行事を表現した切り紙作品=神戸ファッション美術館
モノクロで動物の表情を表現した作品群=神戸ファッション美術館
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モノクロで動物の表情を表現した作品群=神戸ファッション美術館
チョウを切り紙で描いた作品を標本のように並べた一角=神戸ファッション美術館
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チョウを切り紙で描いた作品を標本のように並べた一角=神戸ファッション美術館

 1本のはさみから生み出される作品の数々を紹介する「今森光彦・自然と暮らす切り紙の世界」展が、神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2)で開かれている。昆虫、動植物などをモチーフに、今森さんの視点がとらえた豊かな自然の色が、会場内にあふれる。(ライター・加藤紀子)

 1954年、大津市生まれ。大学卒業後、独学で写真技術を学び、80年からフリーランスの写真家になった。大津にアトリエを構え、「里山」をコンセプトとした、自然と人との関わりを考える活動にも取り組んできた。切り紙作家としてのルーツは少年時代にさかのぼるが、本格的に創作を始めたのは約20年前。

 今回は切り紙だけでなく、写真も合わせて261点を展示。里山に包まれるように暮らす自身の日常生活を紹介し、創作の背景も伝える。

 同館学芸員の浜田久仁雄さんは、「170色のラシャ紙の中から複数の色を選択。カッターは使わず、1本のはさみだけで切り取ったものを、のりで貼り付けて表現するのが今森さんのスタイルです」と解説する。

 生き物と植物を組み合わせた「アマゾンボウシインコとオヒルギ」やチョウを描いた作品を標本のように並べた一角からは、細かい作業と大胆な色使いが光る。今森さんの真骨頂といえる独特の風合いを感じる。トラやパンダなど動物の表情をとらえたモノクロ画は、ポーズにユーモアがあり、鑑賞者の心を和ませる。

 カブトムシ、ゲンジボタルといった昆虫の立体は、制作過程を紹介するビデオも上映。細密な表現の“舞台裏”を身近に感じることができる。

 獅子舞、正月の遊び、花火も切り紙で描く。多彩な色で表現された日本の四季折々の光景は、中高年世代の懐かしい思い出を掘り起こしてくれるだろう。

 また保存が難しい切り紙を、超高精細立体スキャナーを使って複製した版画「ソリド・グラフ」も18点展示。24億画素の超高解像で再現されていてカットの断面や紙の質感もリアルだ。ち密な手作業と最新技術のコラボといえる。

 いずれの作品からも、幼少のころから自然界の生き物と人の営みに向けてきた今森さんの温かいまなざし、優しい気持ちを感じることができる。

 10月9日まで。月曜と9月19日は休み(9月18日、10月9日は開館)。一般500円。小・中・高校生と65歳以上は250円。六甲ライナー「アイランドセンター駅」からすぐ。TEL078・858・0050

■来月11日にトーク

 8月11日午後2時からは、学芸員によるギャラリートーク。申し込み不要。ベーシック展示「昆虫とファッション」も同時開催中。

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