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原爆を描いた作品を持つ(左から)河野安美さん、明さん、浅海和子さん=芦屋市川西町
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原爆を描いた作品を持つ(左から)河野安美さん、明さん、浅海和子さん=芦屋市川西町

 8月6日の広島原爆の日を前に、被爆直後の広島、長崎や米同時多発テロを目の当たりにした洋画家の故・ヘンリー市川(本名・市川宏)さんが原爆などをテーマに描いた作品5点が、甲南学園平生記念館(神戸市東灘区)で31日から展示される。未公開の作も含まれる。想像を膨らませる描き方で、脳裏に焼き付いた惨禍を伝える。(森 信弘)

 関西に住む広島女学院高校の同窓生でつくる市民団体「ヒロシマを語り継ぐ会」が8月5日に同館で開く「朗読と合唱の集い」に合わせて企画した。

 ヘンリーさんは小説「蟹」などで知られる芥川賞作家の故・河野多恵子さんの夫。戦時中は学徒出陣で海軍士官になり、長崎で原爆投下を目撃。死臭に包まれて遺体処理や病院への搬送に奔走した。本人が残した資料には、その前に広島の惨状も目にした記述があるという。

 画家として米国でも活躍し、2001年9月11日の米同時多発テロもニューヨークの自宅で目撃した。12年に87歳で亡くなったが、作品は売ることが少なかったため未公開のものが多い。

 展示は河野さんのおい、河野明さん(66)、安美さん(58)夫妻=兵庫県芦屋市=が同会から協力を求められ快諾した。

 5点のうち3点は油絵。燃え盛る炎のような赤を背景に黒焦げになった人や、太陽のような光の下で立ち尽くす人たち、変わり果てた姿で転がる遺体が見える。残り2点は未公開のスケッチで、原爆の後遺症の恐ろしさなどを表現している。作品には、ヘンリーさんが原爆の恐怖をつづった文章も付けられる。

 安美さんは「原爆と思われる未公開の作品は100点ほどある。よほど原爆を描きたい思いが強かったのだろう」と話す。同会の浅海(あさみ)和子代表(68)=神戸市東灘区=は「芸術作品として見られるので、子どもにも伝わりやすいと思う」と話す。

 入場無料。7月31日~8月4日(午前10時~午後4時)は、平和学習目的の小中学生や教諭、保護者に限る。一般には、5日の「朗読と合唱の集い」が終わった後の正午~午後3時。切り絵作家、寺尾知文さんが広島の惨状を描いた作品も展示する。問い合わせは、同会の浅海代表TEL080・1515・5982

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