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木造校舎の保存活用の課題を浮かび上がらせたシンポジウム=京都工芸繊維大
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木造校舎の保存活用の課題を浮かび上がらせたシンポジウム=京都工芸繊維大

 木造校舎の保存活用をテーマにしたシンポジウムが京都工芸繊維大(京都市)であり、西脇小学校(兵庫県西脇市)などの事例から、課題が話し合われた。

 西脇小の木造校舎3棟は建築家内藤克雄(よしお)の設計で、1934~36年に完成した県の景観形成重要建造物。耐震性などを理由に解体方針が固まるも、市民や建築関係者の運動で保存に転じた。改修には神戸大大学院工学研究科が協力し、再来年3月完成を予定する。

 校舎基本計画検討委員会の委員長を務めた足立裕司・神戸大名誉教授は「使い続けられることが古い建物の重要性だと思う」とする一方、バリアフリー化などの要望を満たしつつ、保存改修する難しさを指摘。歴史的建造物について、建築基準法の適用除外を受ける道筋が広がっていくことに期待を寄せた。

 戦後木造建築で初の重要文化財となった愛媛県八幡浜市立日土小学校(松村正恒設計、56~58年)でも、教室確保のため新校舎を建築。花田佳明・神戸芸術工科大教授は、既存部分の規則を用いた「作為性のない設計」という発想を説明し、「過去との連続性を維持した空間ができた」と述べた。

 腰原幹雄・東大生産技術研究所教授(木質構造)は「耐震性能不足は解体の理由にならない」と強調。部材が交換可能な木造建築の場合、現在の技術で性能を上げることは可能とした上で、「手がかかっても大事にしたいという人が地元にいることが、残すためには大事」とした。

 座談会では、歴史的建造物の価値の共有や改修工事における入札制度の問題、文化財にはならない建物の保存活用策-などをめぐり意見が交わされた。(田中真治)

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