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千石コレクションについて「各時代の優品が集められている」と話す成瀬正和氏=古代鏡展示館
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千石コレクションについて「各時代の優品が集められている」と話す成瀬正和氏=古代鏡展示館

 今春開館した兵庫県立考古博物館加西分館・古代鏡展示館(加西市豊倉町)で、成瀬正和・東北芸術工科大客員教授が「千石コレクションの宝飾鏡」と題して講演した。(田中真治)

 同館は、加西市の千石唯司氏が収集した中国古代鏡316面の寄贈・寄託を受けて設立。金銀や玉などで飾る宝飾鏡を約30面含むことでも注目され、開館記念展「百花繚乱(りょうらん)」では26面を展示する。同コレクション調査研究委員の成瀬氏は、正倉院宝物の保存に長年従事。講演では宝物や宝飾鏡(現存13面)との比較を交え、技法の変遷を解説した。

 隋代の「金ガラス象嵌蟠龍紋(ぞうがんばんりゅうもん)方鏡」などは、緑青などの顔料や金箔の上に薄いガラス板をかぶせて飾る。唐代には絵の上に琥珀(こはく)などを貼る「伏彩色(ふせざいしき)」が流行し、正倉院宝物の「螺鈿(らでん)紫檀(したんの)五絃琵琶(ごげんびわ)」などでも知られるが、「源流はガラス象嵌鏡にあるのかもしれない」と指摘した。

 金銀を塗り込めた漆の膜をはがして蹴彫(けりぼ)りで文様を浮き出させる平脱(へいだつ)鏡にも「ミッシングリンクのような鏡がある」とし、「金銀平脱車馬紋鉄鏡」を紹介。金メッキの銀板に漆は残っていないが、地の鉄と違う金属で装飾しているという点から、「平脱鏡の源流にあたるような鏡」との見方を示した。

 彩画鏡のうち「彩絵人物車馬紋鏡」に使用されている「漢紫(かんのむらさき)」という顔料は、秦-漢代にしかみられず、製造法は不明。また、漢代の描金鏡も技法がよく分かっていないという。成瀬氏は「千石コレクションはいろんな技法が詰まった宝飾鏡の宝庫」とし、さらなる研究の必要性を強調した。

 「百花繚乱」展は9月5日まで(水曜休館)。同館TEL0790・47・2212

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