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「長崎海軍伝習所絵図」など当時の様子を伝える資料が並ぶ会場=神戸市立博物館
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「長崎海軍伝習所絵図」など当時の様子を伝える資料が並ぶ会場=神戸市立博物館

 神戸開港150年目の企画展「開国への潮流-開港前夜の兵庫と神戸」(神戸新聞社など主催)が、神戸市立博物館(神戸市中央区京町)で開かれている。幕末の開港までの準備段階に焦点をあてた展示。その後、貿易拠点として発展していく神戸の礎を築いた先人たちの軌跡をたどることができる。(ライター・加藤紀子)

 兵庫(神戸)港が開港したのは1868年。江戸幕府が欧米諸国と結んだ通商条約で開港場に選ばれていたが、幕末の混乱で5年遅れての実現となった。その間に、将軍徳川家茂の上洛艦隊を受け入れる港として整備されるなど、急速に近代化が進んだ。

 学芸員の三好俊さんは「準備段階の歴史は、開港後に比べてあまり知られていない」と、展覧会の狙いを話す。今回は当時の史料およそ100点を通じて、外国人の来日に衝撃を受けながらも、積極的に変化に対応していった街の姿を紹介する。

 注目の展示品は、最近になって見つかった「レザノフ屏風(びょうぶ)」だろう。1804(文化元)年に長崎に来航し、幕府に通商開始を求めて滞在したロシア人・レザノフ。自身の肖像のほか、将軍への献上のために持ち込んだ品々が描かれている。当時の人たちの視点で紹介してあり、初めて接する異国文化への認識が分かる。

 「長崎海軍伝習所絵図」は、幕末の海事教育施設の考証復元図。大坂湾の海図作成を手掛けた人材を育成したことで知られ、ここで学んだ多くが明治時代に活躍する。絵図は、海洋国家として成長していく日本に欠かせなかった伝習所の訓練の様子を伝える。

 神戸市指定文化財の「和田岬石堡塔外冑壁(せきほとうがいちゅうへき)之図」は、昨年までの修理工事で分かった砲台の調査結果の資料も併せて展示する。中央に円柱形の石造砲塔を備えるなど、海外で使われていた構造を日本で初めて導入した砲台だが、建造にあたっては日本の伝統技術も貢献した。

 例えば、火薬庫に大砲の冷却水が流れ込まないように、和船の造船で培われた高度な防水技術が使われている。海外の新工法を積極的に取り入れる過程で、従来の技法も織り交ぜながら模索した跡がうかがえる。

 神戸の開港を伝えるイギリスの絵入新聞「イラストレイテッド・ロンドンニュース」は、銅版画で表現した神戸港の光景と合わせてセレモニーの様子を記事にする。神戸港が世界に向けてデビューしたことを報道したもので、新しい時代の幕開けを感じる。

 三好さんは「神戸港の発展には、開港準備に奔走し、模索した先人たちの努力があったことを感じてほしい」と話している。

 24日まで。月曜休館(ただし、18日は開館し19日休館)。一般800円、大学生600円、高校生450円、小・中学生300円。JR三ノ宮駅、阪神、阪急神戸三宮駅から徒歩10分。TEL078・391・0035

■インフォメーション

・記念シンポジウム「神戸開港と港の近代化」 3日午後1時から。当日正午から入場整理券配布。

・サタデー・トーク 学芸員による見どころ解説 毎週土曜午後2時から。

 いずれも聴講無料。観覧券必要。先着160人。

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