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貴重な後援会誌「トルコ」や宝塚時代のSP盤などの資料に囲まれた山口博哉さん。手にする研究ノートは70冊目、フリーペーパーは9年半で36号を数える=宝塚市立中央図書館
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貴重な後援会誌「トルコ」や宝塚時代のSP盤などの資料に囲まれた山口博哉さん。手にする研究ノートは70冊目、フリーペーパーは9年半で36号を数える=宝塚市立中央図書館
轟夕起子
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轟夕起子

 今年は、宝塚少女歌劇から映画界入りしたスター女優、轟夕起子の生誕100年。華麗な生涯にスポットを当てる初めての展覧会が9日、兵庫県宝塚市立中央図書館聖光文庫(同市清荒神1)で始まる。企画したのは、ファン歴30年の映画史家山口博哉さん(47)=大阪市西成区。長年の収集資料や研究成果を公開し、「没後半世紀がたち、埋もれつつある名前を知ってもらいたい」と話す。(田中真治)

 轟は1931年、宝塚音楽歌劇学校に首席入学し、声楽専科に配属。名付け親は指揮者の山田耕筰で、娘役として小夜(さよ)福子とのコンビで「モオンブルウメン」などに主演した。映画会社の日活に破格の3万円の契約金で引き抜かれ、37年に退団。「宝塚歌劇の殿堂」に選出されている。

 宝塚時代を扱う前期展示(26日まで)では、轟が表紙を飾った「宝塚グラフ」「歌劇」などの雑誌や多数のブロマイド、引き抜き騒動を報じる新聞記事などが出品され、当時の人気ぶりをうかがわせる。

 伝記を執筆中の山口さんが発掘した、愛媛県宇和島市の幼稚園の在籍記録や、京都市の小学校の同窓会写真など幼少期の資料も展示する。

 興味深いのは約4年間の兵庫県明石市の小学校時代で、第四▽明石▽人丸-の3校に在籍。戦前の雑誌は、電話交換手から歌をリクエストされた珍事や、「播淡冷凍」を経営する父親と横田永之助・日活社長の交友など真偽不明のエピソードを伝えるが、「最も資料が少ない時期で、展示を機に情報が集まればうれしい」と山口さんは期待する。

 後期展示(9月28日~10月15日)は、「ハナ子さん」「細雪(ささめゆき)」など約160本に出演した映画時代を軸に構成。伴侶となったマキノ正博、島耕二両監督をはじめとする幅広い人間関係にも光を当てる。「芸熱心でいちずな人柄や、映画史における独特の立ち位置が伝われば」と山口さんは話す。

 無料。山口さんのギャラリートークが9月24日、10月1日午後2時からある。水曜、10月13日休館。同館TEL0797・84・6121

 【とどろき・ゆきこ】1917年、東京生まれ。本名・西山都留子。兵庫県出身という父・辰春の事業の関係で転居を重ね、明石や神戸・須磨で育つ。宝塚少女歌劇で延べ約100演目に出演後、37年に「宮本武蔵」で映画デビュー。「ハナ子さん」の主題歌「お使いは自転車に乗って」を大ヒットさせるなど歌手としても知られ、放送界でも草創期から活躍。「おかあさんといっしょ」にレギュラー出演するなど、幅広い世代から人気を集めた。67年死去。長男は「沖縄アクターズスクール」を創設したマキノ正幸さん。


■関西や東京で記念イベント

 宝塚での展覧会のほかにも、轟夕起子生誕100年記念イベントが東京や関西で相次ぎ開かれる。

 映画館・ラピュタ阿佐ヶ谷(東京都杉並区)では、10月21日まで全14本の特集上映を開催中。「ハナ子さん」「銀座の女」などを、午前10時半から1回上映。誕生日の9月11日午後0時半~9時は、生誕100年パーティーを開催する。

 宝塚映画祭(10月28日~11月3日、シネ・ピピア)でも特集を予定。封切り後初のスクリーン上映作や関西初公開作など、プログラムの選定を進めている。

 おもちゃ映画ミュージアム(京都市中京区)では12月17日に記念パーティーを開催。神戸映画資料館(神戸市長田区)でも来年、「轟夕起子映画祭」を予定している。

 詳細は、フェイスブック「轟夕起子ファン」で随時案内。

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