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行儀よく腰かけ、乙女餅を食べるアトムのイラスト。手塚は、ほんの数分で描き上げたという=宝塚市栄町2、きねや(撮影・大森 武)
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行儀よく腰かけ、乙女餅を食べるアトムのイラスト。手塚は、ほんの数分で描き上げたという=宝塚市栄町2、きねや(撮影・大森 武)

 漫画の神様、手塚治虫が幼少期を過ごした兵庫・宝塚には、「乙女餅」という名産品がある。阪急電鉄宝塚駅前で販売する老舗和菓子店「きねや」には、乙女餅を笑顔で口に運ぶアトムのイラストが飾られている。晩年の手塚が描いたものだが、ロボットのアトムには、そもそも消化器官がなかったような…。

 1926年、宝塚歌劇の大スター天津乙女さん(1905~80年)にあやかって売り出された乙女餅。添加物を使わないこだわりと素朴な味わいが人気を集め、土産物として定着している。

 乙女餅を食べるアトムを手塚が描いたのは85年3月、テレビ番組の収録できねやを訪れたときだった。永岡幸子店長(69)が色紙を差し出すと、「アトムは乙女餅を食べないんだけどね」と笑いながらペンを走らせたという。

 アトムは、チューブで注入されたエネルギーを使って活動する。手塚は、その設定を承知の上で、サービス精神から乙女餅をアトムに食べさせたのだろうか。

 宝塚市立手塚治虫記念館に問い合わせると、矢野喬士係長が説明してくれた。「ロボットなので消化はできず、味覚もありませんが、人間と同じように物を食べることはできるんですよ」

 アトムの体内には、食べ物をため込むプラスチック製の袋があるという。機械と接触して不具合を起こさないための工夫で、“おなか”がいっぱいになったら内容物を取り出すなどして対応するそうだ。

 「乙女餅を『食べない』ではなく、『食べる必要がない』というニュアンスだったのでは」。きねやでの手塚のコメントの趣旨を、矢野係長はそう解釈する。(小川 晶)

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