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ハイカラな画風で知られる神戸の版画家川西英が戦後描き、半世紀ぶりに100枚すべてが発見された水彩画シリーズ「神戸百景」の原画。版画風に表現している。左上から時計回りに「税関前」「中突堤」「太山寺」「神戸沖」
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ハイカラな画風で知られる神戸の版画家川西英が戦後描き、半世紀ぶりに100枚すべてが発見された水彩画シリーズ「神戸百景」の原画。版画風に表現している。左上から時計回りに「税関前」「中突堤」「太山寺」「神戸沖」
発見された川西英の水彩画「神戸百景」の原画。画集では再現しきれなかった柔らかい色調がうかがえる=21日午後、神戸市役所(撮影・吉田敦史)
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発見された川西英の水彩画「神戸百景」の原画。画集では再現しきれなかった柔らかい色調がうかがえる=21日午後、神戸市役所(撮影・吉田敦史)
版画家川西英の水彩画「神戸百景」の原画を掲げる金井紀子・神戸ゆかりの美術館学芸員(左)と、発見の経緯を説明する同館の岡泰正館長=21日午後、神戸市役所(撮影・吉田敦史)
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版画家川西英の水彩画「神戸百景」の原画を掲げる金井紀子・神戸ゆかりの美術館学芸員(左)と、発見の経緯を説明する同館の岡泰正館長=21日午後、神戸市役所(撮影・吉田敦史)
版画家の川西英(かわにし・ひで)
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版画家の川西英(かわにし・ひで)

 近代神戸のモダニズムを代表する版画家川西英が戦後描いた水彩画「神戸百景」シリーズの幻の原画100枚が半世紀ぶりに見つかった。今春寄贈を受けた神戸市が21日、発表した。神戸港や六甲山、有馬温泉など市内100カ所の情景を捉え、地元愛あふれる明るくカラフルな作品群。神戸港開港150年目を記念し、神戸ゆかりの美術館(同市東灘区)で11月に開幕する特別展で一括公開する。

 生涯を神戸で過ごした川西は戦前、木版画の連作「神戸百景」を制作。郷土の情景や風俗を作品化し、高く評価された。今回発見された「神戸百景」は、地元の神港新聞社の依頼を受け1952~53年に描いた連作。体力的な問題などから、版画ではなく水彩画になったという。

 原画は、画集にまとめられ、62年2月に刊行。同年2月末~3月初めに大丸神戸店であった出版記念原画展に出品されたが、その後所在不明となっていた。昨年5月、神港新聞社の元社長竹内重一さんの孫・蔵掛忠一さん=栃木県=が父親の遺品整理の際に見つけた。同館の金井紀子学芸員が調べ、原画100点がそろっていることを確認した。

 原画はいずれも色紙大。少ない色数で、モダンで温かみのある版画のように表現している。「印刷された画集と比べると、原画は光と影のデリケートな表現がよく分かる」と金井学芸員。震災や時代の変化で失われた風景もあり、岡泰正館長は「懐かしい神戸の風景が見ていただける」と話していた。(堀井正純)

 神戸の歴史に詳しい神木哲男・神戸大学名誉教授の話 描かれたのは、まだ人々の心に戦争の傷跡が残る時期。川西さんは『神戸百景』で、神戸の山と海をたくさん描いて市民の心を癒やしたのだろう。そんな画集の原画が見つかったのは素晴らしい。

 かわにし・ひで(1894~1965年) 大正・昭和時代に活躍した版画家。現在の神戸市兵庫区の商家に生まれ、郵便局長を務めながら、木版画を制作。自ら下絵を描き、版木を刻み、刷り上げる「創作版画」に独自の境地を開き、港都神戸のハイカラなイメージ形成に大きな役割を果たした。代表作である戦前の版画シリーズ「神戸百景」は1933~36年の制作で、戦災で失われる以前の神戸の景観や風俗を伝える。三男・祐三郎氏も版画家で、親子2代で神戸風景を表現し続けた。

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