シェークスピアの恋愛喜劇「から騒ぎ」を新訳で 県立ピッコロ劇団、10月6~10日
2022/09/30 09:26
演出の鵜山仁(前列右)、翻訳の喜志哲雄(同左)と出演者=ピッコロシアター
兵庫県立ピッコロ劇団は10月6~10日、シェークスピアの恋愛喜劇「から騒ぎ」を、尼崎市南塚口町3のピッコロシアターで上演する。
関連ニュース
ひょうご本大賞に「あの日、小林書店で。」 尼崎の小さな本屋巡る小説
阪神タイガース、2軍施設オープンへ「マジック」点灯 100日前で尼崎の商店街 尼崎→西宮→尼崎「お帰り」
<ヒロシマ・ナガサキ 今こそ伝えたい 県内被爆者インタビュー>(12)葛下友和さん(98)三田市 体験向き合えるまで半世紀
舞台はイタリア・シチリア島。戦から凱旋(がいせん)した貴族クローディオー(三坂賢二郎)は知事の娘ヒーロー(樫村千晶)と恋に落ち、めいのベアトリス(森万紀)と貴族ベネディック(岡田力)も口げんかの裏で引かれ合う。しかし、祝福の陰で、仲を引き裂こうとする邪心の持ち主が暗躍し策謀を繰り広げる-。
劇団客員で企画運営にも長く携わった喜志哲雄・京大名誉教授の新訳で、今回が初演。原文に従い、せりふから「なるべく性差を少なくした」。ベアトリスとベネディックの恋愛を「プロットの最大の魅力」に挙げ、人格を認め合った対等な関係から「フェミニズムの現代的な芝居」と解釈する。
演出は、同じく劇団客員の鵜山仁(文学座)。数々のシェークスピア劇を手がけているが、「から騒ぎ」は初めて。「生のエネルギーにあふれていて、葛藤が解決されずに転がっていく面白さがある」と評する。創立28年を迎えたピッコロ劇団とは4度目の顔合わせで「ぶつかりがいのある芝居を作れる幅の広さを、十分に堪能していただければ」と稽古を重ねる。
俳優陣も「堅苦しいものにしたくない」と意気込みは十分で、古典との距離を近づけてくれそうだ。
6日午後6時▽7日午後2時▽8日午前11時、午後4時▽9、10日午後2時-の6回。一般3500円。同劇団TEL06・6426・8088
(田中真治)