宝塚雪組トップ娘役・朝月希和 大劇場に別れ、サヨナラショー 「蒼穹の昴」千秋楽
2022/11/07 20:40
「ル・ポァゾン」を熱唱する朝月希和=7日午後、宝塚市栄町、宝塚大劇場(撮影・長嶺麻子)
宝塚歌劇団雪組トップ娘役、朝月希和(あさづき・きわ)が7日、本拠地・宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)での退団公演「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」千秋楽の舞台に立ち、ファンに別れを告げた。「お客さまの拍手にいつも勇気をもらった。本当に幸せでした」と笑顔で感謝を述べた。
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東京都出身。2010年4月に初舞台。3度の組替えを経て21年4月、トップ娘役に就任した。「CITY HUNTER(シティーハンター)-盗まれたXYZ-」「夢介千両みやげ」と続き、「蒼穹の昴」が最後の作品となった。
この日、本公演に続くサヨナラショーは、朝月を中心にした娘役たちによる「ル・ポァゾン」(21年「ル・ポァゾン 愛の媚薬(びやく)-Again-」より)で華やかに幕開け。22年「夢介千両みやげ」からは明るいナンバーの「惚れた、日本一のお人好し」を銀橋で1人、歌い上げた。
「SUPER VOYAGER!」(17年)からはジャズふうのメロディーに合わせ、トップ彩風咲菜(あやかぜ・さきな)らと華麗なステップを披露。最後の「Sensational!」(22年)のテーマ曲では雪組生が白い衣装に、朝月はシャーベットグリーンのドレスに着替えて、はじける歌と踊りを見せた。
これで終了かと思いきや、「CITY HUNTER-」で使った巨大ハンマーが登場、手にした朝月がコミカルに舞台上を駆け回った。最後は彩風にキスをされ、めでたしめでたし。はつらつとした演技を見せてきた彼女らしい、明るい閉幕となった。
緑の袴(はかま)姿で大階段を下りた朝月は「時間よ止まれと思った。あっという間の一日。せめて(今この光景を)焼き付けておきたい」と千秋楽を振り返った。宝塚人生は「決してまっすぐな道ではなかった」と言い、何か一つでもできたことがあれば「よし、もう少し頑張ってみよう。あきらめなければその先に何かがあると思えた」と、万感の思いがあふれたようだった。
また「サキさん(彩風)がいてくれたから頑張れた。猪突(ちょとつ)猛進の私に『前だけでなく周りも見て』と教えてくれた」と共に歩んだトップ彩風への感謝の意を述べた。
彩風も「デュエットダンスでいろいろな思いがこみ上げた」。東京公演に向けて「われわれの愛と希望が届きますように」と決意を語った。
朝月は11月26日~12月25日、東京宝塚劇場での公演を最後に退団する。(片岡達美)