阪神

  • 印刷
経費削減のため、病院内の看板を手作りする職員=西宮市林田町
拡大
経費削減のため、病院内の看板を手作りする職員=西宮市林田町

 阪神間の公立病院が苦境に陥っている。各自治体は2017年度当初予算案や16年度補正予算案で軒並み、一般会計から病院の運営資金を投入。もともと民間が手を出しにくい不採算医療を抱えていることに加え、消費税増税の影響などが重くのし掛かっている。

 兵庫県立西宮病院との統合協議が進められている西宮市立中央病院。「これ以上、赤字が膨らむと、動き始めた統合の話に支障が出かねない」。宮島茂敏・経営企画課長は帳簿を何度も見返しながら頭を抱える。

 同病院では、15年度決算で6億3400万円の赤字。16年度は収益自体は上がるものの、全体の赤字額が膨らむ見通しで、16年度補正予算案で急きょ5億円の運転資金借り入れを求めた。

 同病院では病室のプレートなどを職員が手作りで製作。事務机や書類棚は、市役所の使い回しだ。宮島課長は「現場で切り詰められるものはすべて切り尽くしていく」と経費削減に力を注ぐ。

 同病院が経営悪化の理由として挙げるのが、14年の消費税8%増税の影響だ。

 患者が病院で支払う医療費は非課税だが、病院が医薬品などを購入する際は消費税がかかる。病院はこの差額分の年間1億7千万円程度を支払っており、「収益が上がれば上がるほど、負担額が膨らんでいく状態」とこぼす。

 状況はほかの病院も同様だ。阪神間五つの市立病院で唯一、黒字運営を続けてきた市立伊丹病院も増税した14年度、5年ぶりに赤字に転落。芦屋や川西などでも補正予算案などで一般会計からの借入金を計上している。

 19年10月には消費税10%が導入され、さらに経営の圧迫が予想される。関西学院大学の明石純教授(医療経営学)は「現在の医療費を巡る消費税制度には矛盾が多い。非課税をやめるなど根本から見直す必要がある」と指摘する。

 一方で、「公立病院では担当職員が3~5年で異動し、経営のノウハウが蓄積されにくい」とも話し、「安易な補助金の投入は各病院の努力不足を補うことにもなる。厳しい目で見ていくべきだ」としている。(前川茂之)

阪神の最新
もっと見る

天気(6月29日)

  • 27℃
  • ---℃
  • 60%

  • 29℃
  • ---℃
  • 50%

  • 27℃
  • ---℃
  • 60%

  • 29℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ