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 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県女川(おながわ)町で、津波に流されず花を咲かせた「津波桜(ざくら)」の“子孫”が28日、兵庫県西宮市奥畑の越水浄水場に移植される。がれきの中で2本だけが生き残り、被災者を励まし続けた奇跡の桜。女川町へ支援職員を派遣し、交流が生まれた縁で西宮に幼木が届く。女川町の担当者は「花を咲かせるたび、被災地を思い出してほしい」と話し、4月1~9日に一般公開される。(前川茂之)

 震災で827人が犠牲となった同町は震災前、桜のまちだった。「町の花」には桜が指定され、春になると、無数の花が多くの町民の目を楽しませた。

 しかし、2011年3月11日。高さ17メートルを超す津波が押し寄せ、家屋の9割が損壊、流出。町内の桜も根こそぎ流された。そんな中、JR女川駅北側にあった2本のソメイヨシノだけは生き残った。全体の3分の2は波で引きちぎられたものの、幹だけは残り、4月になると、か細く伸ばした枝から数輪の花を咲かせた。

 がれきが広がるまちに咲いた薄桃色の花。同町の阿部敏彦総務課長は「体をもがれても、まだ咲こうとしてくれた桜の姿に、多くの町民が勇気付けられた」と振り返る。

 翌年、役目を終えるように枯死したが、町民有志が「女川桜守(も)りの会」を結成。枝から出た芽を育てて保存活動を始めた。

 西宮市に移植されるのは、この「津波桜」の孫に当たる。桜の名所として知られる越水浄水場に運び込み、4月1~9日にある恒例の桜の通り抜けに合わせてお披露目する。

 まだ幼木で花を咲かせるのは来年以降になりそうだが、阿部課長は「阪神・淡路と東日本、二つの被災地は人も桜もつながっている。これからも復興を見守ってほしい」と感慨を口にする。

 西宮市からは代わりにオリジナル品種の「夙川舞桜(マイザクラ)」など計23本を同町に寄贈するという。

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