阪神

  • 印刷
幼児からお年寄りまで広くチェロを教える植木美帆さん=尼崎市尾浜町1
拡大
幼児からお年寄りまで広くチェロを教える植木美帆さん=尼崎市尾浜町1

■チェリスト 植木美帆さん

 チェロ奏者であり、ナビゲーター。自身をそう称する。難解と思われがちなクラシックを丁寧に解説し、観客を音の世界にいざなう。専門用語は使わない。「あくまでもお客さんの目線を大事にしたい」

 5歳からピアノを習い、中学2年の時、母の勧めでチェロに触れた。四つの弦が奏でる音色は「自分の声に近い気がした」。すぐに引き込まれた。本格的にチェロに取り組み、大阪音楽大学に進んだ。

 4年生で参加したオーケストラコンサート。終演後、客演の指揮者から「いいものを持っている」と声をかけられた。プロになる覚悟を決めた。

 留学先のドイツでは、チェリストのクラウス・シュトゥルク氏(故人)に師事し、技術を磨いた。2年半後に帰国し、多くのリサイタルに参加。しかし、日本ではクラシックの良さが伝わる実感を持てなかった。「音楽は、私の仕事は、人々にどんな価値があるのかな」。存在意義を自問し、悩んだ。

 そんな時、ある言葉に出合った。「あらゆる芸術の中で音楽が最上。音楽だけが魂の奥深くまで入ることができる」。古代ギリシャの哲学者ソクラテスによるものだ。一気に視界が開けた気がした。

 必要なのは自分のペースではなく、観客に分かってもらう努力。リサイタルの企画を一から見直した。元来人前で話すのは苦手だが、自分の言葉で曲が作られた背景を説明した。初めて聞いた人にいかに納得してもらえるか、を強く意識した。

 反応は徐々に良くなった。観客へのアンケートでは、曲の内容に関する感想が増え始めた。5月からインターネットでラジオ番組を始め、9月には初のソロアルバムを発売。活動の幅を広げる。「私にとって音楽は、人生を懸ける魅力があるもの。一人でも多く、身近に感じてほしい」。41歳。

 アルバム「アヴェ・マリア」には、亡き母との思い出が詰まった「メモリー」やラジオリスナーから要望が多い「亡き王女のためのパヴァーヌ」など10曲を収録。植木さんのホームページから購入できる。税込み3240円。(岡西篤志)

阪神の最新
もっと見る

天気(12月14日)

  • 10℃
  • 6℃
  • 20%

  • 6℃
  • 3℃
  • 80%

  • 10℃
  • 6℃
  • 10%

  • 9℃
  • 4℃
  • 40%

お知らせ