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豪雨に襲われた武田尾地区。畑熊商店のすぐ近くで堤防が崩落した=2014年8月22日、宝塚市玉瀬
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豪雨に襲われた武田尾地区。畑熊商店のすぐ近くで堤防が崩落した=2014年8月22日、宝塚市玉瀬
再建した「畑熊商店」。名物はだしにこだわる「ぼたん鍋」だ=宝塚市玉瀬
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再建した「畑熊商店」。名物はだしにこだわる「ぼたん鍋」だ=宝塚市玉瀬
武田尾の自然を背に、テラス席で再建の喜びを語る(右から)畑田寿子さん、宏実さん夫婦と店を手伝う義妹の畑田佳代さん(右から)=宝塚市玉瀬
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武田尾の自然を背に、テラス席で再建の喜びを語る(右から)畑田寿子さん、宏実さん夫婦と店を手伝う義妹の畑田佳代さん(右から)=宝塚市玉瀬

 2014年8月の豪雨で濁流に襲われた兵庫県宝塚市の武田尾地区の飲食店「畑熊商店」(同市玉瀬)が今年11月、被災から4年を経て再建を果たした。同地区では武庫川の堤防が崩落し、兵庫県などが河川改修工事で護岸を約5メートルかさ上げした。約160年の歴史があり、ハイカーらに愛される店の再オープンを多くの客が祝い、マスターの畑田宏実さん(63)は「人に支えられてここまできた」と感謝の言葉を繰り返す。(中島摩子)

 畑熊商店は江戸末期に商売を始め、宏実さんは5代目。酒屋などを経て、約15年前からは飲食店として営業する。ぼたん鍋や三田牛のすきやきなどを提供し、大阪や京都からも常連客が足を運ぶ。コーヒーやぜんざいもあり、桜や紅葉を愛でる行楽客や、JR宝塚線(福知山線)廃線跡を訪ねるハイカーらの休憩場所としても人気だ。

 災害が重なった14年、8月10日の台風11号で浸水被害に遭い、常連客らが復旧作業に駆け付けてくれた。直後の16日、丹波市などに大きな被害をもたらした豪雨に襲われた。店は武庫川と僧川の合流地点近くにあり、あふれた水が押し寄せてきた。

 妻でおかみの寿子さん(60)は「『逃げなあかん』と思っているうちにどんどん水位が上がり、一瞬で膝ぐらいまでつかった」。直後、目の前の堤防が約70メートルにわたって崩れたという。傾いた店は応急危険度判定で「危険」と認定された。

 一家は公会堂に避難後、伊丹市内に家を借りた。「再建をあきらめかけたこともあったが、常連さんから何度も『まだか?』と連絡をもらい、代々続く店をどうにか続けようと決めた」と宏実さん。現地は盛り土され、豪雨前と比べて土地が約5メートル高くなった。今春から再建工事に着手し、11月1日に再オープンすると、連日満席になったという。

 目の前には武庫川と山々が広がり、空にはトンビが舞う。自然の中で、こだわりの料理を出す宏実さんは「この年齢での再建で、いつまで続けられるか分からないけれど」としつつ、「人と人のつながりを大事にし、アットホームで心を癒やせる店にしたい」と力を込めた。

 JR武田尾駅から徒歩約10分。畑熊商店TEL0797・91・0239

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