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職人の渡辺信太郎さんが、金づちではさみの刃先を打ち付けカーブを入れていく。刃の隙間はわずか0・03ミリという=宝塚市安倉北2
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職人の渡辺信太郎さんが、金づちではさみの刃先を打ち付けカーブを入れていく。刃の隙間はわずか0・03ミリという=宝塚市安倉北2
職人12人が作業する工場。切れ味を確かめるためマネキンが至る所に置かれている=宝塚市安倉北2
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職人12人が作業する工場。切れ味を確かめるためマネキンが至る所に置かれている=宝塚市安倉北2
ナルトシザーのはさみは平均15万円を超えるという高級品。しかし、美容師の今田歩さんは「これを一生使っていくなら安いもの」と話す=宝塚市安倉中5
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ナルトシザーのはさみは平均15万円を超えるという高級品。しかし、美容師の今田歩さんは「これを一生使っていくなら安いもの」と話す=宝塚市安倉中5
丹念に作られたはさみ。唐草模様があしらわれた物も=宝塚市安倉北2
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丹念に作られたはさみ。唐草模様があしらわれた物も=宝塚市安倉北2

 カン、カン、カン-。工場で鋭い金属音が一定のリズムを刻む。職人の男性が金づちでたたくのは、理容師や美容師専用のはさみの刃。時折、蛍光灯の光に当てては、真剣なまなざしで刃の厚さを確認する。

 兵庫県宝塚市安倉北2に本社を構えるはさみメーカー「ナルトシザー」。もともと理容師だった徳島県鳴門市とゆかりのある創業者が「長持ちするはさみを作りたい」と、1963年に宝塚市で前身の会社を立ち上げ、半世紀がたった。今は新潟県燕市の刃物工場で製造されたはさみを同社の職人が独自の技術で刃付けする。

 品質は業界内で定評がある。はさみの中心軸にベアリングを取り付け、2枚の刃にわずかなカーブを入れた独自の構造は、手の負担を軽減し、商品の劣化を防ぐ。宝塚市安倉中5の美容室「ヘアリゾート メリア」のオーナー今田歩さん(41)は、同社のはさみを10年以上愛用する。「開閉が楽で、毛の切れ味がまるで違った」と、初めて使った時の印象を振り返る。

 美容師らから注文を受けると、指の太さや希望する使い心地に合わせて職人が指穴や刃を研いでいく。はさみはシリアルナンバーが刻まれ、仕上げた情報が修理にも役立てられる。創業時に購入した商品を使い続けている人もいるという。

 職人歴14年の渡辺信太郎さん(38)は「こちらが良いと思うものではなく、相手に納得してもらえる商品を作るのが仕事です」と、培ってきた情熱と誇りをにじませた。(風斗雅博)

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