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阪神・淡路大震災25年に合わせ、寄稿文や震災の資料などをまとめた冊子を手にする永田守教諭=芦屋市新浜町
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阪神・淡路大震災25年に合わせ、寄稿文や震災の資料などをまとめた冊子を手にする永田守教諭=芦屋市新浜町
写真で校区の被害を伝える冊子
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写真で校区の被害を伝える冊子

 阪神・淡路大震災で児童が犠牲になった芦屋市立打出浜小学校(兵庫県芦屋市新浜町)は震災から25年に合わせ、寄稿文や校区の被災状況をまとめた「祈念冊子 未来をひらく」を作った。当時同校5年で、震災で亡くなった中島祥子さんの姉も胸の内を明かす文章を寄せた。作製に携わった永田守教諭(52)は「自分の家族や友だちの命を見つめ直すきっかけになれば」と願いを込める。(風斗雅博)

 防災担当を務める永田教諭は震災時に神戸市東灘区で地震に遭い、住んでいた木造アパートが全壊した。「しばらく震災について考えるのは抵抗があった」と話すが、赴任した精道小学校で追悼行事に関わるうち、震災と向き合わなければならないと感じた。

 冊子は震災から25年が経過し、当時の記憶が薄れつつあることを危惧して作られた。震災後に授業が再開できるまでの経過や校内にある震災を伝える遺構を紹介。また、建物が倒壊した打出商店街や液状化した同校運動場など計8カ所の写真を、今の姿と並べて掲載し、被害の大きさを伝える。

 一方、寄稿文は当時の教員や卒業生など計8人がペンを取った。震災で亡くなった中島祥子さんの姉、香世子さんのタイトルは「最愛の妹の思い出と共に生きていく」。就寝中の家族を襲った激震の様子や、祥子さんを病院に搬送するまでを、当時の思いと共に細かにつづり、次のように記した。

 〈周りにいる沢山の大切な人は、いつ自分の目の前からいなくなるのか、常に脳裏にあり怖くてたまりません。だから毎日の一瞬一瞬を大切にして二度と後悔することがないように、今自分に出来る最大限のことを大切な人のために尽くしながら生きております〉

 永田教諭は「被災した人が苦しみを抱えながらも、一歩前へと進んでいく生き方を示してもらった」と振り返り、「冊子を通じて児童は相手の気持ちに思いをはせて耳を傾けられる人になってほしい」と話す。

 冊子は全58ページ。同校児童や教員に配るほか、来年度以降の防災教育に活用する予定。希望者は芦屋市立図書館本館(同市伊勢町)と同館打出分室(同市打出小槌町)で閲覧できる。

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