阪神

  • 印刷
市民団体「フライパン」の特製シールを手に貼り、活動をアピールする横山宗助さん=芦屋市公光町(撮影・風斗雅博)
拡大
市民団体「フライパン」の特製シールを手に貼り、活動をアピールする横山宗助さん=芦屋市公光町(撮影・風斗雅博)

■市民団体「フライパン」代表・横山宗助さん(兵庫県芦屋市)

 おととしの夏、兵庫県芦屋市宮塚町の宮塚公園で「あおぞら子ども食堂」を開いた。果物とてん菜糖だけで作ったシロップのかき氷がテントに並び、親子連れが長い列をつくってほおばった。

 趣旨は明確だ。「芦屋で共働き世帯が増える中、経済面の厳しさだけでなく、家族が過ごす時間と食育の貧困にも焦点を当てたかった」。初回は約500人が訪れ、その後も300人以上が集まるイベントとして定着した。

 自らが代表の市民団体「フライパン」は、まちづくりの支援を目的に2017年秋に立ち上げた。「地域課題を調理する」をうたい文句に、芦屋で暮らす会社員ら約30人が活動する。大事にするのは「公共性」。子ども食堂の会場も「身内だけになりがちな市民活動が公園でもできると伝えたかった」

 大阪府箕面市の出身。昔から社会活動には関心があった。大学在学中にフランスで2カ月間、古城を修復するボランティア活動に従事。「皆で作り上げる楽しさを知った原体験」と振り返る。卒業後は上京し、デザイン会社などを渡り歩いたが、常に利益を考える働き方になじめず、10年後に帰郷した。

 しばらくして東日本大震災が発生。広告の自粛ムードが広がる中、動画配信サイトに九州新幹線のCMが流れた。列車の沿道から全線開通を祝う住民たち。映像から伝わる一体感と情熱が、まちづくりに加わろうとする背中を押した。

 その後、神戸で商店街活性化プロジェクトに参加。阪神間のNPO法人でも勤務した。収入は会社員時代に比べて半減したが、意に介さず懸命に学んだ。市民活動は行政との協働が必要と感じた。

 近年は芦屋市のエリアブランディングや無電柱化の事業にも携わり、PRに知恵を絞る。「自己満足に終わらず、多くの人に共鳴してもらえる仕掛けをつくりたい」。同市在住、41歳。(風斗雅博)

【メモ】団体の活動はフェイスブックで紹介している。3月5、10、17日はリードあしや(芦屋市公光町)で地域課題の解決講座を開催。都市部に住みながら地方に関わる「関係人口」などをキーワードに、ゲストの講演者と語り合う。

阪神の最新
もっと見る