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「上ヶ原学園敷地関係書類」
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「上ヶ原学園敷地関係書類」

 1958年に日本で2番目の「文教地区」となった兵庫県西宮市の上ケ原地区。戦後に中学や高校が相次ぎ移転してきた経緯を物語る資料を、同地区にある県立西宮高校(同市上甲東園2)の元教諭石戸信也さん(61)が見つけた。用地取得の背景には、幻の「アメリカンカレッジ」計画があったという。(田中真治)

 同市議会事務局が50年に作成した「上ヶ原学園敷地関係書類」(367ページ)で、土地売買の契約書や会議録などの写しをまとめている。石戸さんは、昨年100周年を迎えた県立西宮高の記念誌を執筆・編集するため資料を収集しており、記念誌発刊後に古書店から手に入れた。同市情報公開課によると、市にも保存されていないという。

 上ケ原地区一帯は、明治時代に大阪の豪商・芝川家が購入し、果樹園「甲東園」を経営。阪急甲東園駅の開設に土地を提供した後、神戸から関西学院が29年に、神戸女学院が33年にキャンパスを移転した。

 石戸さんによると、50年に校舎を新築、移転してきた同高や隣接する市立甲陵中学の用地も「芝川家から入手した」と、同高には伝えられてきたという。

 だが、新発見の資料からは、カトリックの修道会が「アメリカンカレッジ」建設のため、既に芝川家から農地を買収していたことが判明。設計・着工が「世界情勢の急変」などの理由で延期されていたところ、西宮市教育委員会が「学園地区として教育環境に最適」として一部割譲を懇請し、カトリック大阪教区の承諾を得た経緯が分かった。

 資料には、用地の耕作者35人が無条件で引き渡す同意書も含まれていた。「文教地区の環境は、多くの人の善意と努力で生まれた」と石戸さん。49年に創立された国際基督教大(東京都三鷹市)にも西宮建設案があったといい、「阪神間の文化エリアの中心地である上ケ原の戦後史を検証することは重要だ」としている。

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