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玉石が設置される区間を示す山本義和さん=西宮市南昭和町2
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玉石が設置される区間を示す山本義和さん=西宮市南昭和町2

 2018年12月にモルタルを含む白い汚濁水が流れ、多くの水生生物が死んだ兵庫県西宮市の津門川で、県西宮土木事務所は26日から、生息環境改善に向けた工事を進めている。地域住民や研究者らの提案が実を結んだ対策で、同市南昭和町にある階段式魚道の下流側に玉石を積み、段差を少なくし、魚やカニ、エビなどの遡上を促す。長年、川の清掃や環境保護に関わる住民らは「再び魚たちが元気に泳ぎ回る姿を見たい」と期待する。(小林伸哉)

 津門川では魚道整備後の03年7月、生態調査でカワムツやオイカワなど19の魚種が確認された。しかし18年12月5日に上流域の山陽新幹線六甲トンネル内の補修工事現場からモルタルが流出。強いアルカリ性の汚濁水となって注ぎ込み、少なくともコイやナマズ、アユなど250匹が死んだ。

 JR西日本などが19年3月まで汚染物の除去を続けた後も、この段差から上流の約1キロの区間では、以前は確認されていた魚影がほとんど見られないままだ。

 今回の工事では段差の下流側で、袋詰め玉石(直径約1・7メートル、高さ約30~55センチ)を4個設置。約10センチと浅かった水深を増して高さ約45センチの階段との高低差を縮め、蛇行する複雑な水流を生むことで、多彩な生物種がそれぞれに移動しやすい環境を目指す。老朽化した水生植物育成地の撤去も含めて工事費は約30万円。県は事後観察を重ね、恒久的な環境改善のあり方を検討する。

 魅力ある水環境づくりに取り組む市民団体「武庫川流域圏ネットワーク」が19年7月、自然回復の取り組みを県と西宮市に要望し、工法も提案。工事後も生態を調べて提言を続ける。

 同団体代表で神戸女学院大名誉教授(水圏環境科学)の山本義和さん(75)は「生態系を守るため、住民の要望が生かされた貴重な事例。市民活動で価値を高めてきた津門川で、多くの種が共存できるよう願う」。にしきた街づくり協議会委員の小林登さん(86)は「住民の大切な憩いの場。コイやアユたちが元気に泳ぎ回ってほしい」と話す。

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