凶が出たのに大当たり? 兵庫県芦屋市東芦屋町の芦屋神社では、1回100円のおみくじで凶が出た人に、地元の和菓子店で使える500円分の商品券をプレゼントしている。神社関係者は「凶を引いても前向きな気持ちで帰ってもらえたら」とほほ笑む。(名倉あかり)
発案したのは、同神社と交流のある手焼きせんべいなどを扱う老舗和菓子店「田中金盛堂」(同市大桝町)店主、田中克志さん(56)。「せっかく神社に来たのに凶を引き、残念な思い出が残るのは嫌だ」と、ほかの神社の取り組みを参考に商品券のプレゼントを企画した。
「おみくじは、結果で一喜一憂するよりも、その内容を読んでほしい」。そう悩んでいたという同神社の山西康司宮司(50)。田中さんの申し出に快諾した。山西宮司は「そもそも凶は『気を付けなさい』という意味で、悪いわけではない」と説明する。
商品券の贈呈は今年から始めた。これまでに凶が出たのは10人ほど。凶は運勢では最下位だが、商品券を受け取った参拝客らは「逆に凶でよかった」と笑顔になるという。
山西宮司は「この企画のおかげで、みこらが参拝客と話すきっかけにもなっている」と喜ぶ。おみくじを引く意味については「凶のマイナスなイメージにとらわれず、行動を考えるきっかけにしてほしい」と話した。
おみくじの授与は午前9時~午後4時半。芦屋神社TEL0797・34・1833
