国内で最小といわれるトンボの仲間「ハッチョウトンボ」が、兵庫県宝塚市玉瀬の丸山湿原を飛び回っている。今年は生息域の広がりも確認されるなど、希少種の定着も進んでいる。
ハッチョウトンボは体長2センチ前後。日当たりの良い浅い湿地を好み、オスの体は成熟すると真っ赤になる。県のレッドデータブックで絶滅の危機が増大するBランクに指定されている。
市民団体「丸山湿原群保全の会」によると、今年はこれまでの2カ所とは異なる湿地帯でも個体が頻繁に確認されるようになった。現在は希少植物のサギソウも開花し、オスは草花の間で縄張り争いなどをしながら元気に飛び交っている。
新型コロナウイルスの影響で湿原を散策するハイカーも増えているといい、同団体の今住悦昌代表(59)は「近くを通る際は静かに観察してほしい」と話している。(風斗雅博)
