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「五十年のあゆみ」を手にする甲東文化財保存会の立垣初男会長=西宮市役所
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「五十年のあゆみ」を手にする甲東文化財保存会の立垣初男会長=西宮市役所

 1941(昭和16)年に兵庫県西宮市に合併した旧甲東村の歴史を研究してきた甲東文化財保存会が、創立50周年記念誌「五十年のあゆみ」を発行した。甲東地区は阪急電鉄の甲東園や門戸厄神駅の周辺地域。路傍に残る道標や石仏などを守るため、会員らは約70カ所に顕彰札を立て、保護に力を尽くしてきた。地道な活動を続けた人々の地元愛と熱情を伝える。(小林伸哉)

 同保存会は70年3月、住民ら49人で結成された。阪神・淡路大震災でも傷ついた文化財保護や記録にも取り組んだ。今年3月時点で195人が在籍する。コロナ禍で5月に予定した50周年の講演会などは中止を余儀なくされたが、記念誌刊行を果たした。

 甲東地区には、旧西国街道があり、神呪寺や門戸厄神へと参拝者を導いた道標も多く「石造文化財の宝庫」と称されてきた。

 しかし、貴重な石造物は都市化で危機に。地中に大部分が埋まっていたり、道路工事で壊されたり…。交通事故で溝に落ちた道標や、側溝の配管に覆われて文字が読めない物もあった。

 同保存会が由緒を記して立てた顕彰札が、市民や業者らの目に留まり、移設や復元などに結びついて「生き残った」事例は数多い。記念誌には道標がよみがえった前後で、対比できる写真を載せた。

 86年に創刊された会報については、昨年9月の第62号までの全号を掲載した。文化財保護の記録や街並みの変遷をはじめ、文化財の由来や古文書の解説がつづられている。

 最近の活動も紹介。旧甲東村が41年に西宮市に合併後、有識者らが編さんを進めた「甲東村誌」は、戦中戦後の混乱で発行されていない。同保存会は、43年に仕上がった草稿を読み解き、デジタル化して記録する作業を続けている。

 同保存会の立垣初男会長(72)は「先輩方の高い心意気が刻まれた記念誌。甲東の歴史は深く、知れば知るほど面白い。若い世代に知ってもらい、大切な文化財を後世に引き継ぎたい」と語る。

 記念誌はB5判、269ページ、非売品。会員らに配り、市立図書館や甲東地区の小中学校で閲覧できるよう寄贈する。また、会員も随時募集している。古文書読解や文化財巡りなどがある。年会費1000円。

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