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森田真千子さん
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森田真千子さん

■森田真千子さん(大阪市)

 鉛筆や筆を口でくわえて色紙やキャンバスの上を滑らせる。繊細な動きは歯と舌で調節。画材を長年受け止めてきた下の前歯はU字にすり減った。特技は筆をくわえたまましゃべられることだ。

 兵庫県芦屋市出身。生後10カ月の時、高熱の後遺症で脳性まひとなり、両手や下半身にまひが残った。大阪に引っ越し、当時の養護学校に入学。授業についていくために口で教科書のページをめくり、鉛筆をくわえて字を書き始めた。

 中学部で美術クラブに入部。先輩の中に障害者の自立を目指す国際芸術家グループ「口と足で描く芸術家協会」に所属する人がいた。「卒業後は絵で自立したい」。筆を口にくわえて練習を続け、1980年、3度目の挑戦で同協会の奨学金給費生となり、92年に会員となった。

 画家として個展を開き、同協会の展覧会で実演し、学校などでの講演活動を続けている。「自分や仲間の作品を発表する場を増やしたい」と考えていた時、知人の紹介で阪急逆瀬川駅近くの物件が見つかり、2016年にギャラリー「ガレリアタカラヅカ」を設けた。宝塚市内でデイサービスセンターも経営する。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でギャラリーは5月上旬まで休館し、実演の機会も激減した。その間、同協会のPRと仲間の励みになれば、とフェイスブックで制作の様子を公開した。全部で4作品を手がけ、最後の「鳳凰(ほうおう)」は1日10~12時間、1週間かかって描き上げた。

 昔から人と関わるのが好きで好奇心旺盛。同協会の会議に出席するため、数年に1度は海外へ行く。6事業所からヘルパーを呼び、9年前から1人暮らしをする。「障害のある人は回りに悪いなあという意識を持ちがち。自分の意見を主張して引かないのは問題だけど、引きっぱなしはあかん。そのメリハリこそがコミュニケーションやと思いますね」。64歳。大阪市東淀川区在住。(中川 恵)

【メモ】11日まで「ガラス工芸とインテリアバザール展」。次回は20日~9月15日に「海からの贈り物展 アート山大石可久也美術館から」を予定する。午前11時~午後6時、水曜休み。ガレリアタカラヅカTEL0797・20・6240

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