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白井博之さん
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白井博之さん

■白井博之さん(大阪府大東市)

 見えない壁を触り、見えないドアを開けたかと思えば、軽やかなタップダンスで会場を沸かす。兵庫県西宮市を拠点に大道芸人として舞台に上がる傍ら、芸人たちを支援する活動にも汗を流す。「エンターテイナーとしての夢は計り知れない」

 幼い頃から引っ込み思案。高校時代も友人関係がうまくいかず、いじめに遭い、うつ状態で不登校の時期もあった。大学進学のために浪人していたとき、偶然に倉本聰脚本のドラマ「昨日、悲別(かなしべつ)で」を見た。北海道の田舎者が上京し、タップダンスで成功する物語。「こんなきらびやかな世界があるのか」。暗闇だった世界に光が差し込んだ気がした。

 大学ではミュージカルサークルに入ったが、タップダンスをするのは自分一人だけ。学外でレッスンに通い、入学して1カ月後には、舞台の振り付けや演出を全て1人でこなすようになった。バイトと大学、レッスンに明け暮れる日々は大変だったが、楽しくて仕方なかった。「舞台に上がると日常はどうでも良くなる。舞台に本当の自分がいる」。エンターテインメントの世界にのめり込んだ。

 大学卒業後、30歳でエンターテイナーの養成や舞台の企画を手がける「G・E-JAPAN」を東京で設立し、40歳で文化芸術が盛んな西宮市に拠点を移した。今年5月には、新型コロナウイルス感染症の影響で活躍の場を失った大道芸人を支援するため、「日本エンターテインメント連盟」を発足。文化庁に陳情を重ね、国の文化芸術支援事業が決まった。

 今後の目標は「お客様と一緒にエンターテインメントをつくること」。欧米などに比べると、ストリートパフォーマンスなどに親しみがない日本で、盛り上がり方や存在を知ってほしいと願う。多くの人を笑顔にするため、裏方にも回って日々奔走する。「どんな形でも人を笑わせる。いつまでもエンターテイナーで在り続けたい」。55歳。(村上貴浩)

【メモ】下積み時代には、東京・新宿の歌舞伎町でバーテンダーとして働いていたことも。ヤクザやキャバクラ嬢など多様な人が訪れる店内は毎日がドラマのようだったといい、そこでの経験や人脈は今も生き続けている。

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