「人の役に立ちたい」7歳女児が4年伸ばした髪を寄付
2020/12/02 05:30
ヘアドネーションに共感し、4年伸ばした髪を切った北村美紗さん=西宮市南越木岩町
がんの治療などで髪の毛の悩みを抱える子どもへ人毛のウィッグ(かつら)を寄付する「ヘアドネーション」に共感した関西学院初等部1年、北村美紗さん(7)=兵庫県芦屋市=が4年間伸ばし続けた約30センチの髪の毛をカットした。(名倉あかり)
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昨年、新聞やテレビでヘアドネーションを知った母の恵美さん(40)が「誰かが前を向くきっかけになったらいいと思わない?」と提案。美紗さんも「人の役に立ちたい」と決意し、それまでに3年ほど切らずにいた髪を、さらに伸ばし続けた。
腰まである髪は毎日ドライヤーで乾かすのに15分かかり、ランドセルにも絡まるため、毎朝のヘアアレンジも欠かせなかったという。
フルウィッグができる約30センチを提供できる長さにまで伸びたことから、29日に美容院「フルショウ苦楽園店」(西宮市南越木岩町)を訪れた美紗さん。「緊張する」と少し不安げな様子でカットに臨んだ。
まずは目標の長さで髪の毛を分けて束にしてくくり、順番にはさみを入れる。髪を切り終わると、美紗さんは笑顔で頭に手を伸ばし、感触を確認。切った髪は自宅に持ち帰り、ヘアドネーションを仲介する大阪市のNPO法人へ郵送するという。
見守った恵美さんは「短い髪も似合っている。子どもでも、自分も誰かの力になれるんだと自信を持ってもらえたら」とほほ笑んだ。