「歌えるマスク」いかが♪ 声通りやすく保育所で好評
2020/12/22 05:30
口の前の部分が立体化し息苦しさを防ぎ、話しやすく工夫した新マスク「Meccha-Shabe」=西宮市六湛寺町
新型コロナウイルスの感染を防ぐマスクが壁となり、子どもとのコミュニケーション不足を感じる保育所職員の悩みを解消しようと、兵庫県西宮市の女性下着メーカー「アンドール」(同市六湛寺町)が、呼吸しやすく、声も通りやすい立体型マスクを開発した。保育所へ寄付すると、「歌の時間に声が出しやすくなり、子どもとの会話がスムーズになった」と喜ばれている。(津谷治英)
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同社は下着の企画、製造、販売が本業。女性スタッフだけの会社で、子育て中の社員もいる。保育所に子どもを預けている社員が、コロナ禍での保育士らの悩みを聞きつけてきた。遊戯や合唱の時間に、園児たちにメロディーや歌詞をうまく伝えられないという。
同社の疋田波津美(ひきたはつみ)企画部部長(59)は、得意とするブラジャー製作の技術の応用を思いついた。プラスチックのワイヤで口の周囲を立体化して呼吸を楽にし、耳に掛けるゴムは下着の上質素材を使って柔らかくし、肌荒れを防ぐよう工夫した。さらに生地にスポーツウエアを採用。湿気を吸収して早く乾き、においも抑えられるという。
西宮市内の保育所23カ所と、吹田市の1カ所に寄付。職員から感謝の言葉をもらい、口コミも広がってきたため、一般にも販売することに。「しゃべりやすい」意味を込めて商品名を「Meccha-Shabe(めちゃ・しゃべ)」とした。話す機会の多い大学の教員や営業マンなどが購入している。
同社の岸村裕子社長(60)は「コロナの影響で人と接触する際の距離や、飛沫(ひまつ)が気になり、人間関係が希薄になっている。会話をしやすい環境づくりに役立ててほしい」と話している。
Mサイズが1190円、Sサイズが1140円。アンドールTEL0798・23・6081(26日から年末休暇)
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