干し芋商品化、焼き芋体験…サツマイモで地域を元気に 伊丹
2021/01/09 05:30
伊丹市東野地域のサツマイモを使って作られた「たみまるほしいも」=伊丹市北本町3、スマイル阪神
兵庫県伊丹市東野地域の活性化を目指して、地元有志の農家でつくる「伊丹サツマイモ研究会」が福祉施設と連携して作った干し芋「たみまるほしいも」を販売している。地元の小学生に栽培や焼き芋体験なども実施し、サツマイモを活用した取り組みを続けている。(村上貴浩)
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同地域では、約150年前に中国から持ち込まれた「南京桃(なんきんもも)」が特産品として盛んに栽培されていた。観賞用に珍重されたが、2012年にウイルスによる伝染病が流行し、国の指導で全ての木を処分。その跡地で始めたのがサツマイモ栽培だった。
地元農家たちは生計を立てるため、干し芋としての商品化を考案した。「鳴門金時(なるときんとき)」や「安納芋(あんのういも)」などさまざまな種類で試作品を作り、色鮮やかでサツマイモの風味が強く残る「紅(べに)はるか」にたどり着いた。
「伊丹-」は16年に農家の有志で「東野サツマイモ研究会」として結成。市の仲介で依頼した福祉施設「くすのき」(伊丹市中野北2)が、収穫したサツマイモを干し芋に加工する。伊丹市のマスコットキャラクター「たみまる」の名前から「たみまるほしいも」と名付けた。
また、荻野小学校(同市荻野2)の児童らにサツマイモの栽培や焼き芋体験を通じて、地元農産物への親しみを持ってもらうなどしている。
同研究会の阪上芳孝さん(56)は「農家として生き残るために考えたサツマイモ作りが、結果的に地域の活性化につながっている。これから芋が熟成してよりおいしくなるのでぜひ食べてほしい」と話した。
商品は税込み432円。JA兵庫六甲阪神営農総合センターにある「スマイル阪神」(伊丹市北本町3)で販売されている。