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菅梅聖順・新型コロナウイルス感染症対策室参事=西宮市役所
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菅梅聖順・新型コロナウイルス感染症対策室参事=西宮市役所
武林秀孝・新型コロナウイルス感染症対策室参事=西宮市役所
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武林秀孝・新型コロナウイルス感染症対策室参事=西宮市役所

 情報錯綜(さくそう)の第1波、想定外に早かった第2波、患者に詰め寄られた第3波-。昨年3月1日に兵庫県内初の新型コロナ患者が確認された西宮市で、同市保健所はこの1年間、業務に追われ続けてきた。検査業務と同時並行で疫学調査、本庁との連絡、患者の入院調整をこなし、次の流行期に向けてシミュレーションと課題整理を繰り返す。新型コロナウイルス感染症対策室の菅梅聖順参事と武林秀孝参事の2人に実情を聞いた。(聞き手・中川 恵)

 -第1波の昨年4月は1カ月で感染者が55人。第3波の今年1月に比べると約11分の1だが当時の状況は?

 「『3月1日の記憶はない。家に帰れず翌朝を迎えた』という人がいた。それまでにも数件の検査事例があり、どう発表するかシミュレーションはしていたが初めて直面する事態。もともと保健所の担当部署には事務職、保健師、看護師ら約10人しかおらず、すぐに患者対応で手いっぱいになった。発生当時、私たちは全く別の部署にいたが、より現場との連絡を密にするため、3月から公表などの事務を担うことになった」

 「まだ感染経路もよく分かっていなかった。このため、患者情報に公表基準がない中で『電車を使っていた』と発表すると、電話が鳴りやまない。いつ、どの車両なのか-。市民や電鉄会社からの問い合わせだった。当時、市民の関心は『患者がどこに立ち寄ったか』に集中していた」

 -第2波の昨年8月は125人。第1波の4月より約2倍強に増えた。

 「実は第2波は秋以降に来るとみて態勢作りをしていた。患者情報の整理、PCR検査センターの整備、人員確保…。庁内から保健師を応援で呼び、民間から事務職員や保健師、看護師を派遣してもらったりしていたさなかの夏、思ったより早く第2波が来た。若者の感染が多くなり、感染の裾野が一気に広がった」

 -いわゆる第3波とされる11月には284人と3桁になり、12月が401人、ピークの今年1月は634人に達した。

 「西宮では夏以降も大きな谷はなく断続的に増え続けた。チームは11月以降に70~80人で対応できるようになった。それでも医療機関や高齢者施設でクラスター(感染者集団)が起き、家庭内での陽性者が相次ぐ。すぐに対応しなければならない事柄があふれ、12月の保健所の空気は張り詰めた“緊張状態”になった」

 「入院待機の患者や家族から『なんでや』と詰め寄られることが増えた。入院・宿泊待ちは1月10日に最多の100人になった。『自宅待機中の患者が亡くなった』という報道もあり、患者も不安を募らせていた。一方で、入院を調整する職員も疲れ果てていた」

 -この1年で分かってきたことは?

 「入院先を見つけられない場合に備え、自宅待機患者への支援態勢を築く必要がある。ただ、保健所の職員は今、土曜、日曜も働いている。患者数が多くなると交代勤務のシフトを崩して、休みの班に入ってもらうしかない。人繰りは難しい課題だ」

 「第1波では通勤先や電車、タクシー、店の出入りといった行動歴全般も追っていたが、今や感染は『食事の場』と考えられるケースが本当に多い。第3波は収束に向かいつつあるとはいえ、手洗い、マスクの着用などの感染予防は緩めずに過ごしてほしい」

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