阪神間コロナ1年、影響ここにも【スポット編】尼崎城
2021/03/08 05:30
コロナ禍の打撃を受け続ける尼崎城。城下の芝生広場は子どもたちや家族連れらの憩いの場となっている=尼崎市北城内
兵庫県西宮市で県内初の新型コロナ感染者が確認されて1年が過ぎた。ステイホーム、3密防止、マスク必携、オンライン…。今も続く疫病禍は、緊急事態宣言で自粛要請を出された飲食店以外にも広く及んでいる。阪神間のまちを巡って、これまでクローズアップされてこなかった各界の影響を聞いてみた。(大田将之、竹本拓也、村上貴浩)
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■“落城”させるな
「城があるのに開城できない。こんなつらい1年が来るとは思わなかった」
2019年にオープンして尼崎市の観光振興の起爆剤として期待がかかる「尼崎城」(北城内)。同市観光振興課はコロナ禍で苦境に陥った状況を、さながら兵糧攻めにあったかのように険しい口調で語った。
同市によると、初年の19年度は13万7千人が訪れたが、20年度は2月末時点で2万2千人と8割以上減り、年間目標の10万5千人には遠く及ばない。
急減の詳しい分析はこれからだが、緊急事態宣言のため、昨年4月から2カ月弱続いた閉館が響いたとみる。さらに秋の行楽シーズンにも「第2波」が直撃。巣ごもりの影響なのか、今も城内は閑散としている。
巻き返しへ。城下の庭の桜木は若く、楽しめるまでにはまだ数年かかる。今は城を起点とした散策イベントを開いたり、尼崎市在住の漫画家・尼子騒兵衛さんの作品「落第忍者乱太郎」のキャラクターをデザインした入城券を発売したりして活路を探る。
「即効薬はない。できることをしていくしかない」
尼崎城は江戸初期、尼崎藩主戸田氏鉄が築城。1873(明治6)年の廃城令で取り壊されたが、家電量販店ミドリ電化(現エディオン)の創業者安保詮さんが城を“自費”で再建し、市に寄贈すると提案した。
月曜休城。入場料は一般、大学生500円、小中高校生250円。尼崎城TEL06・6480・5646
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