センバツで国歌独唱 県立西宮高3年の女子生徒
2021/03/10 05:30
センバツの開会式で国歌斉唱をする柏原雅さん=西宮市上甲東園2、県立西宮高校(撮影・斎藤雅志)
兵庫県立西宮高校(西宮市上甲東園2)3年の柏原雅さん(18)=神戸市垂水区=が19日に開幕する選抜高校野球大会の開会式で国歌を独唱する。全日本学生音楽コンクール声楽部門の優勝者が毎年務め、昨年の74回大会で頂点に立って甲子園球場の晴れ舞台に。「自分も楽しんで、聞いている人も楽しませることを一番に考える」と意気込みを話した。(村上貴浩)
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今年の開会式はコロナ禍で入場行進曲などを事前に収録して流すため、生の音楽は式典で国歌独唱が唯一となる。この独唱を担う高校生は県内で初めて。
高音と低音が行き来するような「音が動く曲」が得意だという。照れ笑いを浮かべつつ、歌いだすと一変した。表情が豊かになり、高音のパートになると、聴く人の体の芯を揺らすような歌声を響かせる。
声楽家の母親が自宅で音楽教室を開き、生まれる前から音楽に囲まれ、歌好きに育った。
県内で唯一、音楽科がある県立西宮高校に進学。将来は獣医師やアイドルグループも夢見たが、「声楽をしている時が何よりも楽しい」と、大学もこの道で進むことを決めたという。
全日本学生音楽コンクールでは、予選と大阪大会を1位で通過し、11月26日に横浜であった全国大会に臨んだ。「順位や勝ち負けを忘れて、ただ観客を楽しませることだけを考えていた」と柏原さん。審査員や担任の教師から「コンクールであることを忘れさせるような歌声で、気持ちが強く伝わった」と高く評価され、栄冠を勝ち取った。
父が野球好きで、一緒にテレビで高校野球を見る。「去年、コロナ禍で大会がなくなって選手たちが泣いていた。あの悔しい思いを声に込めて、今年の選手たちへのエールを送るつもりで歌いたい」