賞味期限迫る災害備蓄用の食料 レシピ考案「これなら美味」

2021/03/17 05:30

乾パンのミルクリゾット(本多准教授提供)

 乾パンやアルファ化米など災害に備えて長期保存し、賞味期限が迫った食料をおいしく調理してもらおうと、大手前大学(兵庫県西宮市)健康栄養学部の本多美預子准教授が、家庭で手軽に味わえるレシピを考案した。東日本大震災から10年に合わせ「備蓄の量や期限を確かめる契機にしてほしい」としている。(山岸洋介) 関連ニュース 【写真】アルファ化米のパエリア お茶30円、スープ39円…賞味期限迫る商品を格安販売 非常食になる「お菓子ポシェット」話題 30分で簡単に

 総務省の調査(2019年)によると、災害用の備蓄食料を15~17年度に更新した国の69機関(東北6県に所在)のうち、防災訓練やフードバンクへの提供などで「全て活用した」のは25機関。逆に4割超の29機関は「全て廃棄」していた。
 食べずに賞味期限を迎えたのは、必要となる災害が幸い起きなかったという意味でもあるが、本多准教授は「そのまま処分するのはフードロスの観点から望ましくない」。代表的な備蓄食料で、味気ないイメージの強い乾パンやアルファ化米のレシピを考えた。
 新たに買いそろえる際には「栄養面にも目配りし、ミートソース缶やアサリ缶がおすすめ」と話している。
 主なレシピは次の通り。
■乾パンのミルクリゾット=1人分
(1)牛乳150ミリリットルを600ワットの電子レンジで1分半、加熱する
(2)乾パン10個とコンソメ顆粒(かりゅう)小さじ1を入れ、ふやけたらフォークで軽くつぶす
(3)スライスチーズを1枚のせ、再びレンジで1分加熱。黒こしょうとパセリを適量のせて完成
※ブロッコリーやタマネギを入れても〇
■氷砂糖とミニトマトのコンポート 
(1)ミニトマト20個を湯むきする
(2)乾パンに入っている氷砂糖30グラムと水250ミリリットルを鍋で加熱し、シロップにする
(3)レモン輪切り3枚(レモン汁でも可)と(1)を鍋に加え、弱火で数分煮る
(4)容器に移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩置いて完成
※ヨーグルトに添えたり、炭酸水で割ってミントをのせたりして味わうのが○
■アルファ化米のパエリア=1人分
(1)ブロッコリー30グラムをラップに包んで600ワットの電子レンジで20秒加熱。小さく切る
(2)缶のミートソース100グラムとアルファ化米50グラムを鍋に入れ、弱めの中火で炒める
(3)水気が減ったら水煮缶のアサリ10粒と水100ミリリットルを入れ、同じ火加減で水気を飛ばす。(1)をのせて完成
※水ではなく、ミートソースをアルファ化米に“吸水”させるのがポイント

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