診療報酬を不正請求の疑い 宝塚市子ども発達支援センター
2021/03/20 05:30
宝塚市役所=宝塚市東洋町
兵庫県宝塚市子ども発達支援センターすみれ園(同市安倉中3)で、診療報酬の不正請求の疑いなどがあるとする公益通報が受け付けられたことが19日までに、関係者への取材で分かった。施設側は疑惑を否定しているが、今後、市長に委嘱された外部相談員が調査結果報告書をまとめ、同市公正職務審査会にかけることになる。
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医療型児童発達支援センターである「すみれ園」は手足などに障害がある子どもを対象に、診療や機能訓練などの療育を行う通園施設。同園の診療所では医師や看護師、作業療法士や理学療法士らが働いている。
関係者によると通報は、同園診療所の医師が、リハビリテーションの診療報酬請求時に必要な開始時の実施計画書などを作成していないという内容。他に、理学療法士らに対し、医師が明確な指示をすることなく施術を行わせていることが法令違反に当たるとの懸念も挙げている。
市子ども家庭室の廣嶋泰也室長と同センターの黒田能里子所長は「(調査等の有無については)言えない」とした上で、「カルテの未記載や指示がなされていないという事実はない。医師の対応が不十分だという声はあり、子どもに負担がかからないよう日々改善に取り組んでいる」とした。
公益通報は、弁護士資格などを持つ内外の相談員が市職員らからの相談を受け、審査の必要があると判断した場合に受理(通報)する。同市では2011年度~19年度に計4件を受理し、うち3件は同審査会の調査の結果、違法や不当行為の事実はなかったとされた。同市は「個別具体的なことは言えない」としている。