西宮市役所の第2庁舎が完成 最新システムやヘリポート整備で防災担う
2021/04/16 05:30
災害時に中枢となる部署を集約した西宮市役所第2庁舎=西宮市六湛寺町
兵庫県西宮市で災害時に中枢を担う危機管理室や消防局を集約する「市役所第2庁舎」(危機管理センター)が、本庁舎東側に完成した。建物は免震構造で、最新の情報システムや非常用発電機、市内で初めての屋上ヘリポートを備え、市民が防災を学べるコーナーも設けた。業務開始は19日以降、部局ごとに順次移る。(中川 恵)
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鉄筋コンクリート造り(一部鉄骨造り)で地上12階、地下1階建て。土地買収や設計、移転費などを含む総事業費は84億4千万円。2016年度に基本計画を策定し、老朽化した複数の庁舎を集約し、新たな防災拠点として整備した。
災害対策本部が置かれる4階の部屋では災害時に、どこでどんな被害が起きているかがモニター画面に表示される。消防への通報や対応を全庁的に共有する「防災情報システム」。これまで出動事案を電話やファクスで伝えていた消防局は、このシステムで現場対応に注力できるという。
1階には南海トラフ地震の被害想定や非常持ち出し品リスト、避難生活の過ごし方などを学べる「ぷらっと防災にしのみや」を整備。2階への階段踊り場では免震装置を一部見学できる。屋上には、防災ヘリの発着を想定してヘリポートを設置した。
停電しても庁舎が機能するよう、非常兼用型のガス発電機や非常時用の軽油発電機も配備。下水道が壊れたときのために地下に汚水をためる仕組みもある。
第2庁舎での業務開始日が最も遅いのは上下水道局で6月14日からの予定。コロナ禍のため竣工(しゅんこう)式は行わない。