市役所の石垣から子ガモがぽとり、ぽとり… 親子の“お引っ越し”警備員が誘導 芦屋
2021/05/21 18:15
カモの親子を芦屋川へ誘導する警備員の清水昇さん=芦屋市精道町(藤井さん提供)
21日午前9時20分ごろ、兵庫県芦屋市役所の石垣からカモの親子8羽が続々と路上に飛び降りてくるのを、市の警備員藤井隆英さん(71)が見つけた。庁舎敷地内でふ化したばかりとみられ、市道を横切り、その先の芦屋川河川敷まで、車も止まってくれて、よちよち歩きの“お引っ越し”を誘導することになった。
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藤井さんによると、駐車場の入り口付近で車を誘導中、高さ約3メートルの庁舎の石垣から突然、親ガモが歩道に舞い降りてきた。着地して心配そうに見上げると、子ガモがぽとり、ぽとり…。落ちた衝撃でぐったりし、「死んだのか」と心配したが、親ガモのくちばしに支えられて起き上がった。
その後、親子は歩道で立ち往生。業務中の藤井さんに代わって同僚の清水昇さん(70)が駆け付け、車に止まってもらうも、親ガモは警戒心が強く、足を踏み出せない。清水さんが手を振って出発を促し、子ガモが先にぴょこぴょこ歩き出すと、親ガモが先頭に飛び出て「クワッ、クワッ」と鳴きながら行進を始めた。
わが子がピーピー鳴くのを心配そうに何度も振り返りながら、約3分かけて横断。河川敷に入ると、小さな足取りで、川沿いを歩いていった。
市によると、市役所の北館と南館をつなぐ2階の渡り廊下にはビオトープ池があり、ときどき野鳥が飛来する。最近になってカモのつがいが羽を休める姿が目撃されていたという。
藤井さんと清水さんは「すくすく大きくなって、飛べるようになったら市役所のビオトープに羽を休めにきてほしい」とほほ笑んだ。(大田将之)