手塚作品の陶板、宝塚大橋から消えた 県が補修工事で一時撤去 市民ら復元求め要望書
2021/05/29 05:30
手塚治虫氏のキャラ「ブラック・ジャック」の陶板
兵庫県の補修工事が進む同県宝塚市の「宝塚大橋」で、同市ゆかりの漫画家手塚治虫氏(1928~89年)のキャラクターを描いた陶板や、同県朝来市出身の彫刻家淀井敏夫氏(1911~2005年)のブロンズ彫刻が撤去され、市民らの不安が高まっている。地元住民らは27日、工事後に復元を求める要望書を山崎晴恵市長に提出。県は「市、地域と協議して検討する」としている。
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宝塚大橋(全長159メートル、幅20メートル)は1979年に完成。武庫川に架かり、付近には宝塚大劇場がある。
橋の歩道には、手塚作品のキャラクターをあしらった陶板5枚が埋設され、淀井氏らの彫刻4体を設置。噴水、花壇もあり、市民に親しまれる観光名所の一つになっていた。
県によると、橋は老朽化が激しく2018~22年度の予定で補修、耐震工事をしており、彫刻や陶板、花壇は一時的に撤去したという。工事後に設置し直すかどうかなどを公表していない。
このため、住民らは彫刻を元の場所に戻した上で、デザイン性のある花壇に復元してもらえるよう求め、代表6人が20市民団体などと連名で要望書を提出。受け取った山崎市長は「市も市民と同じ思い。県と良い方向で検討したい」とした。(西尾和高)