西宮市役所の新庁舎、障害者目線で点検 車いす男性が改善すべき点を提言

2021/06/23 05:30

障害者の視点で公共施設の使いやすさを点検点検し、改善点を伝える大久保健一さん=西宮市六湛寺町、西宮市役所第2庁舎

 障害者の目線で公共施設の使いやすさを点検しようと、電動車いすで生活する重度障害者の大久保健一さん(44)=兵庫県西宮市=がこのほど、西宮市役所第2庁舎(危機管理センター)を訪れ、バリアフリーの状況を見て回った。改善すべき点をまとめ、21日付で市に文書で提言した。(山岸洋介) 関連ニュース 耐震性能が不足の県庁舎、再整備案定まらず 元町の商店主ら、まちづくりと一体で進展切望 「出勤率4割」斎藤前知事の目標撤回? 兵庫県新庁舎の建設検討へ 服部副知事、再整備計画で方針示す 県民会館が耐震性不足 10月末で貸館停止、入居団体に来年3月までに退去促す 神戸

 大久保さんは「バリアフリーの提言」をライフワークとし、全国の公共施設や交通機関を回って、運営側に改善を働きかけている。
 第2庁舎は地上12階建て(地下1階)で、このほど完成。防災や公園整備、上下水道など、障害者や高齢者と関係の深い部局が配置されているため「西宮のモデル施設になってほしい」との思いから調査した。
 市庁舎管理課の担当者2人が約1時間かけ、正面玄関や各階の多目的トイレ、エレベーターなどを案内。大久保さんは「エレベーター内の鏡が高い位置にあり、車いすで後ろ向きに降りる際に役に立たない」「トイレの錠やハンドソープの容器が扱いにくい」「火災を知らせる非常灯がトイレにあれば聴覚障害者も安心」などと細かく助言した。
 担当者は「気付かされることが多かった。改善できる点はすぐにしたい」と話し、大久保さんは「せっかく立派な庁舎ができたので、より良くしてほしい。期待しています」と語った。

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