人権問題の学習に取り組む西宮市立深津中学校（兵庫県西宮市深津町）の３年生が２９日、長崎県の活水高校の生徒らとオンラインで人権交流会を行った。深津中学校の３年生約１００人が戦争や同和問題、ＬＧＢＴなど七つのテーマについて歴史や関連する法律を学習し、高校生らに発表した。

　深津中学では、２年生から総合学習の時間で、同和問題を中心とした人権学習に積極的に取り組んでいる。今年の３年生は修学旅行で長崎県に行き、現地の高校生と交流会をする予定だったが、コロナ禍で中止となり、オンラインでの開催が決まった。

　テーマは平和▽同和問題▽障害者差別▽感染症による差別▽民族人種問題▽環境問題▽ＬＧＢＴ－の七つで、約半年かけて調査した。

　同和問題のテーマに取り組んだチームは、結婚する際に相手が特定の地区出身であることを理由に、親や第三者から反対されることがあると紹介。親に対する意識調査の結果を円グラフにして示した。

　また、平和のテーマではかつて旧満州（中国東北部）で行われた生体実験の歴史を紹介するなどし、生徒らは問題の深い部分まで学習した内容を発表した。

　実行委員長を務めた安東駿さん（１４）は、ＬＧＢＴのテーマに取り組んだ。深津中では昨年度から女子生徒の制服にズボンを導入しており、「こんな身近に人権問題の一端があるんだと初めて実感した。今後も人権について学習を続けたい」と話した。（村上貴浩）