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市街化調整区域の網にかかった田畑の先に、建設中の「プロロジス」が見える=猪名川町差組
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市街化調整区域の網にかかった田畑の先に、建設中の「プロロジス」が見える=猪名川町差組
猪名川町の持ち味を話す角野幸博教授=関西学院大学三田キャンパス
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猪名川町の持ち味を話す角野幸博教授=関西学院大学三田キャンパス
神戸新聞NEXT
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 18日投開票の兵庫県猪名川町長選と町議補選が13日に告示される。争点の一つになっているのが、開発制限の厳しい「市街化調整区域」への対応だ。面積割合は県内最高の95%に上り、町は一部地域で緩和し企業、大学の誘致を軌道に乗せつつある。しかし、規制そのものが空き家や耕作放棄の増加を止められない一因との見方も全国的にあり、どう向き合うかは次の町長にかかっている。(斎藤雅志)

■成長戦略を模索

 「ようやくまちの活性化に糸口が見えてきた」。町の担当者が手応えを語る。

 2016年に開通した新名神高速道路の川西インターチェンジに近い45ヘクタールで、町は米国物流大手「プロロジス」の施設誘致に成功。今秋には完成する見込みだ。

 さらに能勢電鉄日生中央駅近くの89ヘクタールを文教地区と位置付け、大学誘致に向けて交渉を進めている。

 二つは共に市街化調整区域にかかる町有地。南部のニュータウンを除くほぼ全域が同区域の網にかかり、企業や店舗進出の足かせになる中、09年から人口減少に入ると、町は成長戦略を模索した。県の許可を受けて規制緩和を目指したのが二つの土地だ。

■知事選でも注目

 市街化調整区域で農地を住宅地に転用しやすくして移住を促す-。18日投開票の県知事選でも一部候補が公約に掲げ、町長選と同じく争点の一つに。同県稲美町は既に定住人口の増加に向け、一部地域で建築物制限を緩和して宅地開業者に30万円を補助するという独自策を打ち出している。

 しかし、猪名川町は宅地開発には慎重姿勢だ。町内の市街化調整区域はそもそも1980年代に民間の宅地開発が虫食い状態に進み、無秩序な開発に歯止めをかけるとして指定した経緯がある。むやみに緩和すれば、再び乱開発が進みかねないと危機感を隠さない。

 「ニュータウンでも空き家を抱える。少子高齢化の中で、これ以上宅地を増やすのは現実的ではない」

■プラン策定へ協議

 むしろ町が重視するのは農地の活用という。今年4月には、一部農地の取得可能面積を3千平方メートル以上から千平方メートル以上に引き下げた。また町が土地を仲介する「猪名川町農地バンク制度」を新設。農業の新規参入を促したい考えだ。

 地域の活性化策として、市街化調整区域の規制を緩和する動きは全国で加速している。ただ、猪名川町でも北部の一部地域で飲食店や理髪店の建築を可能にしているが、思うように増えていないのが現実という。

 町は5年後を見据えた「都市計画マスタープラン」の来年度策定に向けて協議を本格化。担当者は「住民提案型の土地利用を目指したい」としている。

■住民間でのビジョン共有を 関学大・角野教授に聞く

 猪名川町都市計画審議会委員も務める関学大の角野幸博教授(65)に聞いた。

 -市街化調整区域をどこまで緩和すべきか。

 「区域での開発はしっかりとした計画の下、『秩序ある開発』ならば認める-という大前提がある。民泊施設など地域経済にプラスになるケースは弾力的に検討できる。大切なのは、10年間のビジョンを住民間で共有できるかどうかだ」

 -高度経済成長期に南部でニュータウンができた。

 「大阪の通勤圏だったことで人口が急増したが、働く場や教育環境の整備がなかった。企業、大学の誘致は住まいの場としての魅力アップになる。ただ、今後は企業を退職した人や、自宅や近場で仕事をする人も増える。通勤を前提に、まちづくりを町単独で完結する必要はないだろう」

 -近隣市との関係は。

 「三田、宝塚、猪名川、川西にまたがる『北摂里山街道』がある。歴史的にも森林資源が豊かなエリアで、例えば川西なら地場産業の炭のようにPRできるものがある。その中で猪名川は何がアピールできるか。そこが出発点だ」(聞き手・斎藤雅志)

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