蜂蜜と豆乳で新スイーツ 甘みあるのに低カロリー 武庫川女子大と神戸の食品会社開発

2021/07/19 05:30

新スイーツ「豆蜂(トーファン)」を紹介する武庫川女子大学有井研究室の学生=西宮市池開町

 にがりの代わりに蜂蜜で豆乳を固める技術を編み出した武庫川女子大学(兵庫県西宮市池開町)の有井康博教授=食品科学=らが、神戸の食品会社と共同で新スイーツ「豆蜂(トーファン)」を開発した。豆乳と蜂蜜の味わいが口に広がり、甘みがあるのにカロリーは控えめ。有井研究室の学生は「とろっとしていて硬めのヨーグルトって感じ。ぜひ食べてみてほしい」とPRする。(中川 恵) 関連ニュース 【写真】「豆蜂(トーファン)」の紅茶味 大豆生まれ、とろける新食感スイーツ「フェリコット」 道の駅12駅連携「はちみつ焦がしバターワッフル」新発売


 有井研究室は豆腐の研究を続けてきた。2014年ごろ、豆乳を固まらせるグルコン酸が蜂蜜に含まれていると知り、蜂蜜で豆乳を固める研究を始めた。
 学生も加わり、17年度にはグルコン酸が一定の濃度以上であれば固まることが分かった。18年度から「嚥下(えんげ)困難者用の食品に利用できないか」などと模索。現在、これらの結果を基に特許を申請している。
 19年度には実用化に向けて、学校給食や商品開発を手掛ける「ハートスフードクリエーツ」(神戸市)と共同研究を開始。よりよく固まる蜂蜜を求めて20種類以上を試したところ、淡路島産の蜂蜜に高い凝固能力があることが明らかになった。学生たちもゼリーやフルーツの飾り付けを提案したり栄養成分表示を作ったりと、商品化に向けて協力してきた。
 完成したのはカップ入りのスイーツで、紅茶味と抹茶味の2種類。カロリーはそれぞれ51キロカロリー、66キロカロリーで、「想像以上に低くて驚いた」と学生たち。「試食すると思った以上に、しっかりと甘い」と手応えを語る。4年の中西知奈海(ちなみ)さん(21)は「貴重な淡路島産の蜂蜜を使っている。ぜひ食べてみてほしい」とする。
 1個税込み480円。16日から同社スイーツ事業部の直営店「TOKINONE(旬の音)」(神戸市東灘区御影石町4)で販売を始めた。初日は店頭で学生が販売し、道行く人に商品の説明をしたり試食を勧めたりした。
 近くの70代女性は「思ったより甘いけれど、さっぱりしていておいしい」と話した。火曜定休。武庫川女子大学では後期にも販売を検討している。旬の音TEL078・821・1180

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