5分で「ワンワン!」行方不明の男性発見 警察犬エルフ号は「頼もしい署員の仲間」
2021/08/10 05:30
行方不明の男性を発見し甲子園署に表彰されたエルフ・オブ・ハウス・ベッケン号(甲子園署提供)
行方不明になった高齢男性を発見したとして、兵庫県警甲子園署は、県警鑑識課に所属する警察犬のエルフ・オブ・ハウス・ベッケン号を表彰した。見つかった男性の家族で、同県西宮市に住む48歳と27歳の女性は「本当にありがとう」と体をなでて感謝を伝えた。
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「ワンワン!」。7月26日午後2時すぎ、西宮市内のマンションの植え込みに向かって力強くほえるエルフ号の鼻先には、行方不明届が出されていた男性(83)が倒れていた。
約1時間前の午後1時ごろ、男性は同市内の自宅から外出。同居する女性(48)が家を出るところを見て追いかけたが見失い、近くの交番に届けたという。男性は数日前から家を出てどこかへ行ってしまうことがあったという。
署員約20人を動員して捜索したが見つからず、エルフ号が投入された。男性の枕カバーのにおいを嗅いで捜索を始め、周辺を歩き回ると、約5分後にマンションの植え込み前で立ち止まり、見事に発見した。
甲子園署生活安全課によると、エルフ号は2016年生まれのシェパードで、同年から県警に所属している。人間が大好きな性格で、現在までに531回出動し、22件で成果を上げたという。
甲子園署管内では、今年に入って62件の行方不明届が出ており、そのうち18件は認知症によるものだという。
同課の井上良太課長は「(エルフ号は)頼もしい署員の仲間として頑張ってくれた。家族の認知症で悩んでいる人は、西宮市などに早めに相談してほしい」と話した。
(村上貴浩)