ピアノ慈善CDが専門誌「レコード芸術」準特選に 西宮市職員が制作、被災地支援に高い評価
2021/09/11 05:30
チャリティーCDが専門誌に載り、準特選盤に選ばれた谷口博章さん=西宮市内
兵庫県西宮市職員でピアニストの谷口博章さん(51)が制作・発売したチャリティーCDが、音楽業界の有力誌「レコード芸術」に載り、準特選盤に選ばれた。美しい音色に加え、東日本大震災の被災地支援という思いが高く評価された。
関連ニュース
30代以下の優先接種枠を設ける方針 兵庫県知事「受験控える10代に配慮」 10月から大規模会場で
西宮市の私立高校でクラスター発生 生徒5人感染、学級閉鎖
【速報】尼崎で新たに77人感染 20代が最多17人、10歳未満も10人 新型コロナ
関西学院大を卒業後、1994年に市役所へ入った。欧米の国際コンクールなど国内外で受賞歴があり、2018年に脳梗塞で左手が不自由になっても努力で感覚を取り戻した。
震災直後、応援職員として宮城県南三陸町へ赴き、広報や町長秘書を担った。避難所で演奏会を開き、帰任後もチャリティー演奏会で支援を続けている。
同誌に掲載されたのは、2月のリサイタルをライブ録音したCD「南三陸に捧げる音」。ショパン「ノクターン第2番」やドビュッシー「月の光」など、かつて避難所で演奏したり、脳梗塞のリハビリで励まされたりした9曲を収めた。
評論家から「深い陰影がある」「主和音がずっしりと響く」と演奏を評価されたほか、随所で被災地への熱い思いが伝わるとして「感動的」「苦難の人々へのエールだ」と称賛された。
同誌で批評されるのが「あこがれだった」という谷口さん。被災地支援の思いを聴き手と共有できる1枚-とお墨付きを得た形で「ピアノで表現したかったことを正面から受け止め、評価してくれた」と喜んだ。
CDは収益を全て寄付する。神戸・三宮のタワーレコード神戸店に設置された谷口さんの紹介コーナーで買える。(山岸洋介)