衆院選31日投開票 阪神間の投票率は近年低水準、期日前投票は大幅増
2021/10/30 05:30
期日前投票をする有権者ら=29日午後、西宮市役所(撮影・斎藤雅志)
衆院選の投開票が31日に迫った。兵庫県の投票率は近年下落傾向にあり、2017年の前回は戦後最低の48・62%にとどまった。阪神間の兵庫6、7、8区も低水準で、中でも8区(同県尼崎市)は42・09%と14年に続いて県内の選挙区で最低を記録した。投票率アップへ、各自治体は啓発に工夫を凝らす。(まとめ・今福寛子)
関連ニュース
首相進退「本音分からぬ」 自民・斎藤前経産相
「首相は選挙大敗の責任を」 自民・小林氏、重ねて要求
首相進退「自身で決断を」 自民・小林氏、大敗の引責
県の投票率は、郵政民営化が争点となった05年が66・71%で、旧民主党が政権交代を実現した09年に微増の66・96%になって以降は、下落が続いている。前回の17年は投開票日に大型台風が接近したこともあり、ついに50%を割った。
阪神間の6、7、8区も同様の傾向をたどり、09年に各区とも県を上回る67%台を記録して以降は下がり続けている。前回は09年と比べ、6区は17・95ポイント、7区は17・41ポイント、8区は25・18ポイント下落した。
一方で、期日前投票は大幅に伸びている。前回は県内の全市町で14年の選挙を上回り、今回も阪神間の6市1町は28日時点ですべて前回を上回っている。西宮市は既に4万4972人が投票を済ませ、前回より48・5%も上昇。猪名川町は39・7%増、芦屋市は17・1%増、宝塚市は15・8%増となった。
西宮市の担当者は「制度が浸透してきて、どの選挙でも利用者が増えてきている」と説明。県内屈指の激戦が伝えられている6区の宝塚市は「政権選択選挙として関心が高まった結果ではないか」と推測する。
投票率は選挙結果に影響を与えるとされ、各自治体の選挙管理委員会は関心を高めようと有権者にアピールを重ねる。
前回は県内ワーストを記録するなど選挙への関心の低さが課題になっている尼崎市。利便性向上のために18年の市長選から大型商業施設「あまがさきキューズモール」を期日前の会場に追加した。他にもラッピングバスで啓発したり、JR尼崎駅でPR動画を放送したりするほか、ごみ収集車からも音声を流して投票を呼び掛けるなど、あの手この手を尽くす。担当者は「投票率アップへ、最後までやれることをやりたい」と力を込めた。
【特集ページ】衆院選2021