絆会本部の真鍋組事務所 年内にも更地化の見通し
2021/12/07 23:40
近く解体工事が始まる真鍋組の事務所=7日午前、尼崎市戸ノ内町3
指定暴力団「絆会」(旧・任侠山口組)が本部としてきた傘下組織「真鍋組」の事務所(兵庫県尼崎市戸ノ内町3)について、近く解体工事が始まり、年内にも更地になる見通しとなった。市内では今秋、絆会の拠点となっていた別の暴力団事務所も解体されたばかり。山口組の分裂抗争が終結しない一方で、事務所撤去の動きが続いている。
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白を基調とした大理石調の玄関ホールに金縁の大きな鏡があり、2階に二つの階段が続く。2階和室の広間には「任侠一筋」などの書が飾られ、隣の応接間には山口組の綱領が掲げてある-。
真鍋組の事務所では2017年8月、神戸山口組の離脱者による任侠団体山口組(現在の絆会)の記者会見が開かれた。広間に中心メンバー6人が並び、神戸新聞を含む報道機関の記者らに対し、結成の経緯や自分たちの正当性を訴えた。
事務所は絆会の本部として使われたが、18年9月に神戸地裁が使用を差し止める仮処分を決定。3年以上にわたり組関係者が立ち入れない状況が続き、今年10月に県警や暴力団追放兵庫県民センターの仲介で民間事業者へ売却された。
県警によると、事務所は少なくとも約50年前から現在の場所にあったという。
登記上は鉄筋コンクリート2階建て。1994年には、尼崎のアサヒビール名誉会長宅に火炎瓶が投げ込まれた事件の関係先として家宅捜索を受けた。また2012年には建築確認を受けずに屋上へ部屋を増築したとして、建築基準法違反の疑いで真鍋組の組長(当時)ら2人が逮捕される事件も起きている。
尼崎市内には多くの暴力団施設が集まっていたが、今年4月には発砲事件のあった山口組系の組幹部宅を市が買い取り、全国初の事例として注目された。絆会が最初に定例会を開いた傘下組織「古川組」の事務所も今秋に解体されている。
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