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警察官の前で自身の人生や当時の心情を語る大矢勇気選手=甲子園署
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警察官の前で自身の人生や当時の心情を語る大矢勇気選手=甲子園署
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警察官の前で自身の人生や当時の心情を語る大矢勇気選手=甲子園署

 東京パラリンピック陸上男子100メートル(車いすT52)で銀メダルを獲得した大矢勇気選手(40)=兵庫県西宮市=が14日、甲子園署で「私の体験そして未来」と題して講演した。車いす生活を余儀なくされた事故や母の死について語り、警察官約80人が真剣な表情で聞き入った。

 大矢選手は西宮市で1981年に生まれた。15歳で脳腫瘍を発症し、翌年にビルの解体工事現場で仕事中に転落。下半身が不自由になり、車いす生活になった。大矢選手は「落ち込んで家族にあたったこともあった」と当時を振り返った。

 ある日、友人の誘いでパラ陸上の全国大会に出場すると、競技用ではない車いすで走ったこともあり、最下位に終わった。

 「悔しかった。負けた選手に勝ちたいと強く思い、家族に競技用を買ってほしいとお願いした」

 それが、パラ陸上人生の始まりとなった。

 2012年のロンドン大会の出場を目指したが、二人三脚で支えてくれた母が最終選考会の直前に肺がんで亡くなり、棄権した。次のリオデジャネイロ大会もハードな練習で体を壊し、予選にも挑めなかった。

 しかし、背中を押してくれたのは、母が死の直前に兄に言った言葉だった。

 「勇気を、世界に連れて行ってあげて」

 練習を重ね、ついに東京パラリンピックで悲願の銀メダルを獲得した。

 講演終了後には警察官から「一番のモチベーションは何ですか」と質問され「『勇気』という名前ですが、実は怖がりな性格で物事から逃げることがよくあった。でも、不器用なのでスポーツでしか母に恩返しできないという思いが一番です」と笑顔で話した。

 地域4課の森本大貴巡査部長(25)は「公務の中でも多くの障壁があるが、改めて諦めない気持ちを持とうと思った」と話した。(村上貴浩)

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