矢放ち安寧な年願う「奉射事始祭」 コロナ禍で2年ぶり開催 西宮神社
2022/01/04 05:30
疫病退散などを願い、魔よけの矢を放つ「奉射事始祭」=西宮市社家町、西宮神社
兵庫県西宮市社家町の西宮神社で2日、魔よけの矢を放って疫病退散や商売繁盛を祈願する神事「奉射事始(ほうしゃことはじめ)祭」があった。昨年はコロナ禍で中止されたが、2年ぶりに実施。赤や黄など色とりどりの装束に身を包んだ西宮弓道協会の会員が弓を引き、一年の安寧を願った。(村上貴浩)
関連ニュース
コロナ禍を経て…半数以上の会社が「精神疾患を抱える若者の採用要件」を緩和 中途採用担当者に調査
自転車の盗難被害、コロナ禍経て増加に転じる 防犯意識薄れたか、兵庫は昨年の2割増
神戸空港11月の旅客数は1%の微増 コロナ禍前の水準維持
1995年から続く神事。今年はコロナ禍で時間を短縮するために人数を減らし、10人が拝殿前に設置された約30メートル先の的に向けて矢を放った。
同協会の山邉昌紀副会長は優雅な動きで弓を構え、狙いを定めた。「鏑(かぶら)矢」と呼ばれ、悪霊退散の力があるといわれる1本目の矢が「ヒューン」と笛のような音を響かせて的に当たると、参拝客から大きな歓声が湧き上がった。
同協会の村田尚之さん(60)は「今年こそコロナ禍が収束し、みんなが健康に過ごせるようにしてほしいという思いで矢を射ました」。知人が事始祭に参加したという会社員の女性(23)は「昨年に上京し、1人暮らしをしている。生活環境が大きく変わり、コロナ禍で仕事もやりにくい。いい年になってほしい」と話した。