アトムの容姿、小柄だったりスマートだったり… 直筆原稿などで歴史紹介 宝塚の手塚治虫記念館
2022/04/10 05:30
時代によって容姿が違う「鉄腕アトム」。手塚治虫がファンクラブ会報誌「鉄腕アトムクラブ」の中で、紹介している((c)TEZUKA PRODUCTIONS)
宝塚市ゆかりの漫画家手塚治虫(1928~89年)の代表作「鉄腕アトム」の主人公・アトムが時代とともに容姿を変えていく歴史を伝える企画展が、市立手塚治虫記念館(同市武庫川町)で開かれている。漫画雑誌や新聞に計18年間連載された中で、背が高かったり、少し大人っぽかったりと、年代ごとの「七変化」を楽しめる。(西尾和高)
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「ぜ~んぶ 鉄腕アトム展」。今年で連載開始から70年になるのを記念し、宝塚市などが主催した。
アトムは1951年、月刊漫画雑誌「少年」(光文社)の連載「アトム大使」の脇役で初登場し、1年後の52年から主人公にした「鉄腕アトム」の連載が「少年」で始まった。68年に雑誌休刊に伴って終了したが、同時期の67~69年には新聞全国紙にも「アトム今昔物語」として掲載された。
連載さなかの65年に、手塚はファンクラブ会報誌「鉄腕アトムクラブ」で自作の登場人物について「毎年少しずつ変えている」と説明。その上で「子どもの読者が成長して中学生になると、作品から離れていく。新たな子どもの心をつかむため、3年ごとにスタイルを変化させている」と語っていた。
会場では、手塚の直筆原稿や漫画雑誌など280点を並べ、主に「少年」での連載中にアトムがどう変わったかに焦点を当てる。初期の51(昭和26)年からは小学生のような姿だが、58(同33)年には高身長でスマートな体形に。60(同35)年には再び小柄でかわいらしくなったと思えば、66(同41)年には愛きょうと勇ましさを併せ持った表情になる。
連載開始前の原稿には「団子っ鼻」のアトムが描かれ、もともとは全く違った顔だったことも分かる。同記念館は「どの時代のアトムに親しみがあるか見に来てほしい」としている。
6月27日まで。午前9時半~午後5時。水曜休館(5月4日開館)。小学生100円、中高生300円、大人700円。同記念館TEL0797・81・2970