大人から絡まれてもくじけない 地元高校生らごみ拾い活動「尼崎のイメージ良くしたい」
2022/06/17 05:30
尼崎市内を中心にごみ拾いを始めたクリボラ部の高校生=尼崎市潮江1
兵庫県尼崎市に住む高校生らがグループをつくり、同市内の駅などを中心にごみ拾いのボランティア活動を始めた。学校から帰った後や休みの日に現れ、ごみを拾い続ける。時にはポイ捨てした大人から絡まれることもあるが、高校生らはくじけない。根底には「尼崎市のイメージを良くしたい」との強い思いがある。(高田康夫)
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報徳学園高校(西宮市)に通う4人や尼崎市の友人らでつくる「クリボラ部」。1週間に2~3回、尼崎市内を中心に、西宮市や大阪市などで活動する。
同校2年でリーダーの大田一輝さん(16)は「心が落ち着く」と中学生の頃から時々、1人でごみ拾いをしてきた。ある日、JR尼崎駅近くであまりにも汚い川を見て、本格的に活動しようと決意。同級生で副リーダーの垣本康佑さん(17)、荒本佑弥さん(16)、下高海斗さん(16)らと共にクリボラ部として5月に始動した。
街頭を歩くと、缶やペットボトルから家電製品まであらゆる物が落ちていた。最も多いのはたばこの吸い殻だ。たばこを吸っている人と目が合うと、若いからか文句を言われることもあるため、活動中は必ずサングラスで視線を隠す。
ポイ捨ての現場に遭遇したこともある。「理解してくれそう」と感じる人には注意するが、不機嫌そうに無視をされることがほとんど。一方で、通行人からは感謝の言葉を掛けられる。
「尼崎市に『治安が悪い』『汚い』というイメージを持っている人が多い」と大田さん。「そんなイメージを僕らで変えていきたい」と力を込め、駅前へと足を運び続ける。